脳内炎症抑える細胞、理研など解明 認知症予防に期待

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ラットの海馬組織中のNG2グリア(左上の黄色い矢印で示した白い点)。これを除去すると(右上)、黒い点線で囲んだ海馬組織の萎縮が見られた(左下から右下)=いずれも理化学研究所提供

 アルツハイマー型認知症などの疾患につながる脳内の炎症について、神経細胞の働きを助ける「グリア細胞」が抑制することを、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(神戸市中央区)などの研究チームが突き止めた。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに14日、発表した。新たな予防・治療法の開発が期待できる成果という。

 脳など中枢神経の炎症は、主にグリア細胞の一種「ミクログリア」によって起きるとされる。一方で、炎症を制御し、神経細胞を保護する細胞が脳内に存在することは知られていなかった。

 研究チームは、加齢とともに機能が低下する別のグリア細胞「NG2グリア」に着目。ラットの遺伝子を改変し、脳内でこの細胞を除去したところ、神経が炎症を起こし、記憶をつかさどる「海馬(かいば)」の著しい萎縮が見られた。この細胞が炎症を抑えるタンパク質を放出している可能性が高いという。

 同センター研修生の中野真行(まさゆき)さん(29)は「NG2グリアの機能を維持し、高めることで、中枢神経の病気の予防や治療法の開発につなげたい」とする。(森 信弘)

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