なぜ…? 脳内出血死亡率、沖縄・八重山が全国最悪 定説覆す調査結果

 全国344の2次医療圏のうち、沖縄県の八重山(石垣市、竹富町、与那国町)地方の脳内出血の死亡率(標準化死亡比)が2008~12年、男女とも全国ワーストだったことが国際医療福祉大学大学院の埴岡(はにおか)健一教授の調査で分かった。全国を100とした場合の死亡率は男性273・0、女性226・7に上る。寒さが厳しく、塩分摂取が多い東北などで死亡率が高いという“定説”を覆す結果に、埴岡教授は「どこに問題があるのかを早急にチェック・分析し、オール八重山で対策に取り組む必要がある」と投げ掛ける。(社会部・新垣綾子)

 2次医療圏は入院ベッドの必要数などを考慮し、決められる地域の医療エリア。埴岡教授が脳卒中(脳梗塞、脳内出血)について2次医療圏ごとの死亡率を初めて割り出した。

 一般的に脳卒中は寒い朝などに血圧が上がって発症する人が多く、治療が早いほど効果が上がる。血管が詰まる脳梗塞は、発症直後であれば血栓を溶かす薬が効くことがあるのに対し、脳内出血は出血部位によっては外科的に血腫を取り除く手術が必要になる。

 八重山の脳内出血の死亡率は男性が2位の岩手県釜石を80ポイント以上、女性は岩手県宮古を40ポイント以上引き離し、断トツのワーストだ。

 一方、脳梗塞だけでみると男性75・5(326位)、女性67・3(337位)と優良で、2疾病を含む脳卒中の都道府県別年齢調整死亡率(10年)も沖縄は男性が24位、女性は43位と全国より低い。

 埴岡教授は「県全体の平均点が良いために、八重山の脳内出血の状況が見逃されてきたのではないか。まずは医療従事者と住民の現状認識が必要だ」と指摘し、脳神経外科医の不足や離島間の救急搬送体制のあり方などを課題に挙げた。

 死亡率は08~12年の死亡者を国がまとめた人口動態保健所・市区町村別統計に基づき、東京大学公共政策大学院医療政策教育・研究ユニットが作成した「全国地域別・病床機能情報等データベース」から抽出。1月10日発行「中央公論」2月号でも掲載されている。

画像八重山・竹富島(資料写真)画像

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