防災へ生かせ 日奈久断層帯の標本作製

画像接着剤を付けた布で剥ぎ取った断層面画像縦長の布に接着剤を付け、上から徐々に剥がして断層面を写し取る作業員=28日、甲佐町

 熊本県甲佐町白旗の日奈久断層帯・高野-白旗区間の調査現場で27、28日、活断層の実物標本をつくるため壁面を剥ぎ取る作業があった。熊本地震の前震を引き起こしたとされる区間で、標本として残して防災・減災教育などに役立てるのが狙い。

 断層の活動履歴を探ろうと、産業技術総合研究所(茨城県)が区間の一部に深さ約4メートルのトレンチ(細長い溝)を掘り、地層の年代を測定していた。2月の一般公開で訪れた熊本市の地質調査会社の工藤伸さん(64)=御船町=が「埋め戻す前に標本にして残したい」と自費で作業をすることを提案。研究所も賛同した。

 特殊な接着剤を染み込ませた布(縦5メートル、横2メートル)を北東側の断層面に27日からかぶせ、翌日に剥ぎ取った。剥ぎ取った断層を3分割して標本を作製し、4月末にも宇城市の県博物館ネットワークセンターに寄贈する。

 工藤さんは「これほどきれいな断層面はめったにない。県内外の博物館に貸し出すなどして、多くの人に見てほしい」と話している。(久保田尚之)

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