住友電工、高効率「家庭用蓄電システム」発売

住友電工は、新型の家庭用リチウムイオン蓄電システムを5月下旬から発売すると発表した。新型の「パワーデポIII」は1日2サイクルの充放電が可能となったことなどが特徴。太陽光発電システムと連携させて使用することで、貯めた電気を安定的に有効活用し電気料金を削減できる。

同社の家庭向けリチウムイオン蓄電システムは小容量の電池を採用することで製品本体の価格を抑えた製品。併せて設計段階から小型・軽量化を追求し施工性を大幅に高めており、導入時のトータルコストを大幅に低減している。また、これまで設置が難しかったマンションのベランダや出窓の下などのスペースに置けるメリットもある。

新製品の「パワーデポIII」は独自技術で従来品から充放電時の変換効率を大幅に高めていることが特長。高い変換効率と蓄電池セルの優れた特性で1日当たりの充放電を2サイクルまで増やして稼働率を高め、小容量でも十分に経済効果を発揮できる。また従来品と比較して設計をさらにコンパクトにしたほか、電池の容量3・2キロワット時に高めていることも特長となっている。

台湾電力に蓄電池納入

住友電工はこのほど、台湾電力が進める実証実験向けにレドックスフロー蓄電池などを納入した。同社の総合研究所では蓄電池や太陽光発電システム、電力負荷などをつないで再生可能エネルギーの安定利用などについて検証するマイクログリッド実証システムを構築している。

住友電工が納めたレドックスフロー蓄電池は出力が125キロワットで6時間の電力供給が可能なタイプ。同社では台湾電力向けに実験室レベルでの研究用に蓄電池を納めた実績がある。今回はフィールドテストでの実証プロジェクト。住友電工では蓄電池のほかに、電力を最適利用するためのシステムであるEMSも納入している。

実証実験では再生可能エネルギーの安定利用に加えて電力コストの最小化やデマンドレスポンスなどについても検証する。

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