「会話ロボ」が最優秀賞 三浦学苑高生徒製作

 私立三浦学苑高校(横須賀市衣笠栄町)の工業技術科の生徒2人が、一問一答形式の会話が楽しめるロボット「ロボテル」を完成させた。県内の工業系の高校生が集まる研究発表会では最優秀賞を受賞。「今後は個人の顔を認識し、一人一人に合わせた会話ができるようにしたい」と意欲を燃やしている。

 製作したのは、3年の嘉手苅匠さん(18)と、2年の太田星河さん(17)。同校の部活動「電気研究会」で電子工作班に所属する2人だけのメンバーだ。

 ロボテルは高さ約40センチの円柱形。事前に想定した質問をマイクに向かって話し掛けると、あらかじめ決められた返答をする仕組み。昨年7月から、2人で音声合成や入力処理ができるフリーソフトを組み合わせて、今年1月に完成させた。

 会話のパターンは70通り以上。あいさつや日常会話のほか、「好きな食べ物は何ですか」との問い掛けに「食べ物は食べませんが、電気が大好物です」など、ユーモラスな返答も多い。工業技術科の生徒らしく、ラジオペンチやニッパーなど工具の名前を尋ねると、その役割まで教えてくれる。

 「楽しく会話ができるように」と、2人で一問一答例を考えたが、嘉手苅さんは「1日に3つぐらいしか出てこなかった。理系の自分たちにとっては、電子回路のはんだ付けやプログラミングより大変だった」と苦笑いする。

 1月20日に開催された研究発表会では、ロボテルを実演。展示中は多くの人がロボテルに話し掛けるなど反響があったという。最優秀賞受賞に2人は「自分たちでもびっくりした。成果が目に見える形になり、やりがいのある活動だった」と振り返る。

 春からは嘉手苅さんが卒業するため、同研究会の電子工作班のメンバーは太田さんだけになる。太田さんは「部員を増やして、研究を進めていきたい」と話している。

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