【Q&A】米の強制送還新指針

トランプ政権の不法移民対策

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就任後初の施政方針演説に臨むトランプ大統領=2月28日、ワシントン(UPI=共同)
トランプ政権の不法移民対策などに抗議する人=2月21日、米シカゴ(ゲッティ=共同)

 米国のトランプ政権が2月21日に国内の不法移民の強制送還を強化する新指針を発表しました。大統領は28日に議会で行った施政方針演説でも、労働者の保護と治安向上のため不法移民対策に全力を挙げると語りました。

 Q 米国内にはどれくらいの不法移民がいるのですか。

 A 推定で1100万人にも上ります。国境を接しているメキシコや、メキシコを経由してくるグアテマラ、エルサルバドルといった中米諸国出身者が多いと言われています。

 Q 新指針はどんな内容ですか。

 A オバマ政権では、主に入国して間もない不法移民が殺人や薬物など重大な犯罪に問われた場合に強制送還していましたが、対象を交通違反や万引といった軽犯罪まで拡大します。強制送還手続きを短縮できる対象も米国滞在2週間以内から2年までにして送還の迅速化を図ります。ただし子供の時に親と一緒に来てそのまま不法滞在している場合は対象外になります。

 Q どれくらいの人が影響を受けるのでしょうか。

 A 米国のメディアによると、担当する国土安全保障省は1100万人のほぼ全てが対象になり得ますが、犯罪に関わった者の送還を優先するとしています。トランプ氏は選挙戦の時から200万~300万人の不法移民を強制送還すると明言していました。

 Q 人権面から批判もあり、米国のイメージ低下につながるのではないですか。

 A 米国内には「不法移民は犯罪に関わり治安を悪化させたり、安い賃金で働き米国人の仕事を奪ったりしている」として厳しい対策を求める世論もあります。トランプ政権としてはそちらに応える方が重要と判断したのでしょう。

 Q 不法移民対策は誰が大統領になっても避けて通れない課題なのですね。

 A そうです。実は、オバマ前大統領が不法移民に優しかったとは言い切れません。移民に関するシンクタンクによると、オバマ政権の8年間の強制送還数は約300万人で、クリントン政権の約87万人、ブッシュ(子)政権の約200万人を大きく上回りました。人権団体などはオバマ氏を「強制送還王」と呼んでいました。

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