【リポート】辺野古から

海上工事着々、移設反対派に焦り

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クレーン船から海中に沈められる大型コンクリート製ブロック=2月7日、沖縄県名護市辺野古沖
ブロックを積んで停泊する台船。ブロックの数が減っている=3月10日、名護市辺野古沖
汚濁防止膜の設置作業が進む=3月10日、名護市辺野古沖

 沖縄県名護市辺野古の沖合で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に向けた海上工事が着々と進んでいる。政府は作業の前倒しも検討しており、移設反対派は「手遅れになる前に止めなければ」と焦りを募らせる。

 政府は2月6日に海上での工事に着手。翌7日には、海中の汚れの拡散を防ぐ「汚濁防止膜」の重りとして大型コンクリート製ブロック228個を海底に設置する作業を始めた。ブロックは1個十数トン。クレーン船でつり下げて静かに沈める。防衛省沖縄防衛局によると、サンゴ礁を避けて置く。

 1カ月余りが過ぎた3月10日。当初、巨大な台船に200個近く積まれているように見えた灰色のブロックは、数十個程度に減っていた。既に大半を設置したという。

 政府はこの日、汚濁防止膜の取り付けも始めた。数隻の小型船が、長さ数百メートルに及ぶ汚濁防止膜を引き、ゆっくりと設置場所まで運搬。海底のブロックにつながるロープと結び付けた。移設関連工事で発生する濁りが周辺に広がるのを防ぐため、埋め立て区域周辺の4カ所の海中に張る予定だ。

 汚濁防止膜を張り終えれば、埋め立て地の外枠となる護岸の建設を始める。護岸は、石材を海底に敷き詰めた上に箱形コンクリートや消波ブロックを積み重ねて造成するため、原状回復が難しくなる。

 政府関係者によると「これまでの工事の進み具合は順調」で、5月と想定していた護岸建設着手を4月にすることも視野に入り始めた。

 3月10日の辺野古沖。工事区域を大きく取り囲むフロート(浮具)の近くでは、カヌーや小型船が海上デモを展開、抗議の声を上げた。だが、警備に当たる海上保安官が発する「直ちに退去しなさい」との大音量の警告にかき消された。

 目の前で進む工事に、抗議活動に連日参加している名護市の大西章さん(65)は「このままでは手遅れになってしまう。一人でも多くの人が現地に集まり、『辺野古反対』の意志を示さなければ」と悔しさをにじませる。

 名古屋市から月に1回辺野古を訪れ、「不屈」と書かれたプラカードを掲げる女性(55)も「地元の方々の気持ちが折れないよう、できることをしたい」と話した。(共同通信=那覇支局・岡田圭司)

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