南阿蘇村立野、唯一のスタンド営業中 再建のエネルギーに

画像立野地区で唯一のガソリンスタンド「丸野石油店」の(左から)丸野隆生さん、健一郎さん、久美さん=南阿蘇村

 熊本地震から11カ月。大きな被害を受けた南阿蘇村立野地区では、唯一のガソリンスタンドが地震後も営業を続けている。住民の多くが村外で暮らす中、経営する丸野健一郎さん(55)、隆生さん(53)の兄弟は「生活再建を目指す地元の人たちの力になりたい」と話す。

 健一郎さんの妻、久美さん(55)を含め3人で切り盛りする給油所は国道57号沿い。昨年4月16日の本震で崩落した阿蘇大橋の約1キロ西側にあり、東側のすぐ先は通行止めになっている。

 本震では灯油の計量器が倒れるなど施設も被災した。ただ、地下の燃料タンクは無事だったため、避難所の発電機や災害現場で使う重機の燃料供給に追われた。被災直後の数日は停電のため、手動での作業だった。

 地震に見舞われる前、熊本市と阿蘇方面を結ぶ国道57号は観光客の車でにぎわった。だが、現在、給油所の前は復旧工事のトラックなどが時折行き交う程度で、売り上げは約半分に落ち込んだという。

 立野地区は「長期避難世帯」に認定され、丸野さん兄弟も、それぞれ大津町のみなし仮設住宅から通う。それでも「給油所は復旧工事にも必要。営業を続け、帰ってくる住民を待ちたい」と隆夫さんは言葉に力を込める。

 昨年11月には父で創業者の誠士さんを84歳で亡くした。「復興した立野を見たい」と繰り返していたという。南阿蘇村議でもある健一郎さんは「復興には時間がかかりそうだが、楽しい立野を取り戻したい」と願っている。(岩崎健示)

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