大洗高マーチングバンド部、被災地・宮城で演奏会 24、25日

傾聴活動で交流も

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事前研修で傾聴ボランティアの練習をする生徒=大洗町大貫町の県立大洗高

県立大洗高マーチングバンド部の生徒らが、東日本大震災の被災地を訪問し、音楽の演奏や話の傾聴を行う「こころのボランティア」を通し、住民らを勇気付けている。2013年から始まり、今年5回目を迎えるが、今回は過去最多の68人が参加を予定するなど、活動は衰えない。生徒らは24日から1泊2日の日程で宮城県内を巡る。

こころのボランティアは約5年前、当時同校教頭だった沢畑保男校長らが「高校生でも何か被災者に向けてできることはないか」との思いで発案した。これまでに、同部員に加え、参加を希望した生徒延べ300人以上が、宮城県気仙沼市、南三陸町を中心とする東北の被災地を訪れた。

現地では音楽祭の開催や傾聴ボランティアのほか、生徒と被災者のメッセージボードを交換し、現地の施設や同校に貼り出す「こころの交流」も合わせて実施している。

今回の訪問では、24、25の両日、気仙沼市、南三陸町を訪れ、老人ホームや体育館などで演奏会を開き、入居者や来場者との交流を深める予定だ。

8日には同校で、相手の話をじっくりと聴く「傾聴ボランティア」の事前研修が行われた。「痛くないですか」「凝っているようですね」。こんな会話をしながら、マッサージをし合う生徒たち。肩や手を優しくもみつつ、相手の話を聴く。講師を務めるのは、学生らと各地でボランティアをしている茨城女子短大の塙雅文准教授。「話を聴くときは、目を合わせて笑顔で、しっかりと受け止めること」とアドバイスを送る。

研修に参加した2年の飛田秀隆さん(17)は2回目の被災地訪問。「去年よりももっとじっくりと被災者の方の話を聴きたい」と力を込める。

1回目から引率を担当する松崎佳介教諭は「大洗も被災地だが、優しくて強く生きる東北の方々と触れ合い、互いに元気付け合ってくれれば」と狙いを説明する。毎回、音楽祭を行っている体育館にはリピーターも現れ、「今年も来てくれてありがとう」と来場者から感謝されることもあるという。

被害が大きかった福島県南相馬市出身で、マーチングバンド部2年の元内瑠里さん(17)は「私の故郷も福島で最も被害が大きかった場所の一つだが、県境を越えて、音楽を通して元気付けられたら」と話していた。

生徒は23日にも再度研修を受け、それぞれの思いを胸に翌24日早朝に同校を出発する。 (鈴木剛史)

宮城県で行われた野外音楽祭=2016年3月26日、同県南三陸町の南三陸さんさん商店街演奏会(大洗高提供)  

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