広域路線バス、利用伸び悩む 県・自治体、認知度向上に力

鹿行 筑西・桜川 県南

画像2月に実証運行を始めた「稲敷エリア広域バス」=牛久市ひたち野西のJRひたち野うしく駅

自治体同士が連携し、複数の市町村にまたがる広域路線バスを運行する動きが県内で広がっている。本年度は潮来、行方、鹿嶋の3市を結ぶ1路線と、筑西、桜川両市から筑波山への2路線が運行を始めたほか、2月には県南地域の3路線が県の支援を受けて実証運行をスタート。路線バスなど公共交通の廃止が相次ぐ中、各事業は通学や買い物など地域住民の生活の足の確保が主な狙いだが、いずれも利用者数が伸び悩んでいる。県や各自治体は路線の存続に向け、認知度向上や利用促進に力を入れている。 (報道部・松下倫)

県南の龍ケ崎、牛久、稲敷、阿見、美浦の5市町村は2月4日、エリアを縦横に結ぶ3ルートの広域路線バスの実証運行を始めた。

各ルートとも毎日4往復の運行で、学校や病院、商業施設、市役所、鉄道の駅などを結び、「交通手段がなくて困っていたので助かる」と地元の期待は大きい。ただ、PR不足もあり、2月中の乗客数は1便当たり1・2人にとどまった。

実証期間は来年3月末までの予定。5市町村は、運行経費を半額支援する県などとの地域協議会でてこ入れしながら、本格運行への移行を模索していく。

■地方創生交付金
全国でも国の地方創生交付金を活用し、広域路線バスの実証に乗り出す自治体が増えている。ただ、かつて採算が取れず廃止された路線を復活させる例も多く、安定した利用者確保が共通の課題とされる。

潮来など3市は昨年5月、国の交付金を活用して試験運行をスタート。現在は国の別の補助金に切り替えて1日8往復の運行を継続する。同12月にダイヤ改正や回数券、周遊券の導入で見直しを図り、愛称も「鹿行北浦ライン」に決定。それでも1便当たり乗客数は1・4人にとどまる。

筑西、桜川両市は、それぞれ筑波山口へのバスについて4月以降もダイヤやルートを一部変更して実証運行を継続する方針。

1便当たり乗客数は2月末現在、筑西市が4・1人、桜川市が1・8人。筑西市の担当者は「市内から筑波山への需要が想定以上に多かった。平日や日中の利用増が課題」と話した。

■「絶好の機会」
県は2016年度から5年間の新たな公共交通活性化指針に基づき、県南のほか、県北、県西、鹿行の4地域で国や市町村、交通事業者などで構成する地域協議会を設置。17年度も実証運行経費の半額を補助する事業を継続する方針で、県南の3路線に加え、残り3地域でも順次、実証運行開始を目指す。

国の交付金と県の補助を合わせると、市町村側の経費負担は4分の1程度で済む。県企画課交通対策室の塙伸一室長は「地方創生交付金が使える今が絶好のタイミング。この機を逃すと、再び同じような取り組みはできない」と強調する。

高齢者の免許証返納などで生活の足に困る住民はさらに増える見通し。塙室長は「地域の理解も得ながら、長いスパンで公共交通システム構築に取り組んでいくしかない」と話した。

■県内の主な広域路線バス
【鹿行北浦ライン】
鹿島大野駅-なめがたファーマーズヴィレッジ-道の駅いたこ-潮来駅

【筑西市広域連携バス】
下館駅-あけの元気館(4月から)-市役所明野支所-筑波山口

【桜川市広域連携バス】
市役所真壁庁舎-真壁高校南-紫尾小学校西-筑波山口

【稲敷エリア広域バス】
▽江戸崎・阿見ルート
江戸崎-あみプレミアム・アウトレット-ひたち野うしく駅
▽江戸崎・牛久ルート
江戸崎-奥野生涯学習センター-ひたち野うしく駅
▽美浦・龍ケ崎ルート
光と風の丘公園-同アウトレット-龍ケ崎済生会病院-竜ケ崎駅
※各路線とも主要な停留所を記載

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