学校はなくなっても(3月21日)

 元気に校庭で遊ぶ子どもたちを温かい目で見守る。登下校で擦れ違うたびに笑顔であいさつを交わす…。県内でも少子高齢化が進むなか、地域住民にとって小学生は宝であり、活力の源だ。

 県教委によると、今月末で県内の小学校9校が廃校になる。このうち伊達市梁川町にある五十沢[いさざわ]、富野、白根、山舟生[やまふにゅう]、大枝の5校は梁川小に統合され、140年余の歩みに終止符を打つ。五十沢は、あんぽ柿発祥の地であり、白根は本県初の五輪選手で、マラソンで活躍した故三浦弥平氏の出身地として有名だ。それぞれに長い歴史と独自の文化がある。

 原発事故の影響で、あんぽ柿は一時、生産自粛を余儀なくされた。地元の特産品の風評払拭[ふっしょく]に役立ちたいと、五十沢小の児童は小さな復興大使となってPR活動に励んできた。今年1月には首相公邸を訪ねて関係者にプレゼントし、おいしさと安全性を訴えた。

 県内の各小学校では23日に卒業式が行われる。五十沢小では26日に閉校記念式典や記念碑除幕式が催される。たとえ学びやがなくなっても地域住民が子どもに寄せる思いと慈しみの心は変わらない。古里への愛情と誇りが未来に羽ばたく翼となる。

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