県が雇用型訓練 ロボット産業人材育成へ

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 県は平成29年度、県内への集積を目指すロボット関連産業の人材育成に向け、若年層を対象にした「雇用型訓練」を始める。2、30代の求職者を半年間限定の社員として企業に採用してもらい、人件費を全額負担する。就労と並行してロボットのプログラミングなどを指導し、専門的な知識を備えた技術者を養成する。初年度は中・浜通りでそれぞれ10人程度を対象に実施する。

 雇用型訓練の仕組みは【図】の通り。参加する求職者は県内のロボット関連企業で賃金を得て実務経験を積み、県が設ける講座(計140時間程度)に通ってロボットのプログラミングや製造機器の操作を学ぶ。

 参加者と受け入れ企業は6カ月間の非正規雇用の契約を結ぶ。県は一人一月当たり、各社に委託費として人件費相当額の十数万円を助成する。

 訓練後は受け入れ企業に正社員として雇用されることを想定しているが、難しい場合には個別相談などを行い勤め先の確保を後押しする方針だ。

 県内6カ所にある県の就職相談窓口などで参加者を募集し、受け入れ企業を6月から公募する。29年度に組織する「ふくしまロボット産業推進協議会」の会員事業者などに広く協力を呼び掛ける。

 さらに、29年度の早い時期に県内の企業や大学、職業教育訓練機関などの代表によるカリキュラム策定委員会を組織し、講座の詳細な内容を決める。10月ごろの開講を目指す。30年度からの事業の規模拡大を検討している。

 産業用ロボットは東京電力福島第一原発の廃炉をはじめ、医療・介護、物流など幅広い分野で需要の増加が見込まれている。南相馬市では30年度、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環として、実証拠点ロボットテストフィールドの一部が開所する。

 一方、生産現場からは社員や技術者が不足しているという声が上がっており、県産業人材育成課は「ロボット産業を担う人材を企業に供給したい」としている。

 飯舘村や南相馬市に生産拠点を持つ機械メーカー「菊池製作所」(本社・東京都八王子市)の高橋幸一取締役(55)は「県の雇用型訓練は、企業が従業員を雇う際の初期費用を抑えることができ、求職者にとっては外部で研修を積めるメリットがある」と期待している。

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