志摩市の地方創生取り組み ガイド育成で雇用創出

【志摩】観光客を案内する有償ガイドを育成する取り組みが志摩市で進んでいる。地方創生の一環で、市の魅力を観光客に発信するだけでなく、ガイド業を定着させ、雇用の創出につなげるのが狙いだ。市は昨年四月からガイド業について学ぶ市民講座を開設し、今年二月上旬、講座の参加者二人がガイドとしての初舞台を踏んだ。

 ガイドの育成は、観光業が盛んな市の新たな働き口としてガイド業を定着させるのを目的に初めて実施。講座には市民約十人が参加。鳥羽市でツアーを企画する「海島遊民くらぶ」の江崎貴久代表らが講師を務め、参加者はガイドとしての話し方などを学び、独自のツアーを企画した。

 二月上旬の休日、講座の参加者を代表して浜口真美子さん(59)と善積智子さん(65)がガイドデビューした。

 同市阿児町鵜方で、かつて盛んだった茶産業に着目し「苔むす・茶の道ぶらり旅」と題した周遊ツアーを企画。江戸時代に住職が茶を伝えたとされる棲鳳寺などに観光関係者ら約十人を案内し、茶の歴史や市の文化などを紹介した。

 長野県松川町からツアーに参加した地域おこし協力隊の大橋弘幸さんは「二人が生き生きと話す姿にこちらまで楽しくなった。町の魅力だけでなく、ガイドが町を好きに思う気持ちも伝わった」と話した。

 市によると、昨年の市への観光客数は約三百八十七万人。昨年五月の伊勢志摩サミットの開催などで前年と比べて約4%増えた。中でもサミットの主会場となった阿児町で日帰り客が約25%増加したが、二人は「鵜方駅周辺でどこに行けばいいのか分からず、迷う観光客をよく目にする。せっかくたくさんの魅力が埋もれているのにもったいない」と指摘する。

 二人は「今後も志摩の埋もれた魅力を発掘し、たくさんの人に観光を楽しんでもらいたい。ただ観光スポットに行くだけでなく、ガイドから歴史や文化などを学び、交流することで旅行の思い出は深みを増すはずだ」と意気込んでいる。

 市は新年度以降の取り組みとして具体的なガイドツアーの企画や事業団体の設立などを検討している。

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【初ガイドに挑んだ浜口さん(右から2人目)=志摩市阿児町鵜方で】

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