住友電工、米国の大規模蓄電システムの実証運転を開始

住友電工は17日、米国カリフォルニア州で大規模蓄電システムの実証運転を開始したと発表した。システムは同社製のレドックスフロー蓄電池を使用したもの。実証プロジェクトは同州政府や現地大手電力会社のサンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック社と協力し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として実施している。16日には運転の開始式典が同社の変電所で行われた。

変電所で行われた運転の開始式典

 同州では再生可能エネルギーの割合を2030年度までに50%まで高める目標を掲げている。朝夕での電力需給変動への対応や電力品質の維持が今後の課題。同州では再生可能エネルギーを一度充電して安定化させる電力貯蔵システムの導入を促進している。今回の実証実験はその流れに沿ったもの。

 住友電工のレドックスフロー蓄電池は充放電回数が無制限で、電解液が何度も使用でき寿命が長い。また発火せず安全性が高いほか、充放電の速度が速いことも特長となっている。今回は出力2メガワットで4時間の電力供給が可能なタイプを納めた。16日の運転開始式典には同社の伊藤順司常務や両国政府の関係者らが出席。テープカットなどのセレモニーが行われた。

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