【リポート】辺野古から

議員座り込み再開、活動立て直し

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米軍キャンプ・シュワブのゲート前に集まる「止めよう辺野古新基地建設!議員団」のメンバーら=11日、沖縄県名護市辺野古
保釈され支援者と喜ぶ沖縄平和運動センター議長の山城博治被告(手前)=18日、那覇市
沖縄県庁での記者会見で差し止め訴訟の検討に言及する翁長雄志知事=16日、那覇市

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に向けた海上工事が着々と進む中、移設反対派は抗議活動の立て直しを急いでいる。辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で国会議員らが抗議の座り込みを再開した。25日には3千人規模の抗議集会を開く。移設阻止への機運を再び高めたい考えだ。

 11日午前7時ごろ。雨で冷え込む中、県選出の野党国会議員や県議、地元の名護市議ら約40人がゲート前に集まった。「止めよう辺野古新基地建設!議員団」のメンバー。2015年3月に県議や市町村議を中心に100人で結成した。昨年3月から12月まで工事が中断したため活動を中止したが、工事再開に伴い再結集し毎週土曜日に座り込むという。

 議員団事務局長の比嘉京子(ひが・きょうこ)県議は「できる限り現場に足を運び、私たちに歴史を動かす力があることを確認しよう」とあいさつ。伊波洋一(いは・よういち)参院議員は、辺野古移設に反対する約121万人分の署名を市民団体から受け取ったと報告した。

 岸本洋平(きしもと・ようへい)名護市議が反対派の人たちを「毎日ゲート前で頑張っている皆さんには頭が下がる」とねぎらうと「1週間に1度と言わず、毎日来てくれると心強い」と注文が付いた。

 反対派には、抗議活動が沈滞していたとの危機感がある。最大の理由は、統率していた沖縄平和運動センターの山城博治(やましろ・ひろじ)議長が昨年10月に逮捕され、5カ月以上勾留されていたことだ。

 その山城被告は3月18日夜に那覇拘置支所から保釈された。「一日千秋の思いだった。皆さんと再会できて、こんなにうれしいことはない」。痩せた顔つきで涙ながらに語る姿に、約100人の支援者は抱き合ったり、遠くから見守ったり、それぞれの形で喜びを分かち合った。

 山城被告は記者会見で「私たちに掛けられている容疑は県民への弾圧だ。無実と沖縄の正義を訴え、頑張りたい」と決意を示した。しかし弁護人によると、保釈には事件関係者との面会禁止の条件が付いているため当面、抗議活動には加わらない方向だ。山城被告不在が続くことになる。

 25日の抗議集会を開くのは、移設に反対する政党や企業、市民団体でつくる「オール沖縄会議」。翁長雄志(おなが・たけし)知事も参加する意向だ。辺野古での集会に出席するのは、14年の知事就任以来初めてとなる。

 辺野古移設を巡っては、埋め立て承認を取り消した翁長知事の処分に関する訴訟で県側敗訴が確定し、政府は昨年12月に工事を再開。今年2月から海上工事に入り、4月にも護岸造成を始められるよう作業を進めている。

 翁長知事は、3月末が期限の「岩礁破砕許可」を政府が再申請せずに4月以降も工事を続けた場合、工事差し止め訴訟も検討する考えを示した。だが、必ずしも県の主張が認められるとはいえず、劣勢とされる。

 翁長知事にとって大きな支えの一つが「民意」であることは変わりない。翁長知事を支える移設反対派の抗議活動は正念場を迎えている。(共同通信=那覇支局・沢田和樹)

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