まだ出場していないあの選手、この選手、開幕に出遅れた野手たち

プロ野球が開幕して約1週間、2カード目が終了した。投手はまだローテーションが一巡していないため、出番が回ってきていない選手がいるが、野手はほぼ出揃ったと言えるだろう。となれば、現時点でまだ出場していない選手は、開幕でやや出遅れたと言えそうだ。

日本ハム・杉谷拳士【写真:田口有史】

開幕から2カード目終了、1軍出場を果たしていない主な野手は…

 プロ野球が開幕して約1週間、2カード目が終了した。投手はまだローテーションが一巡していないため、出番が回ってきていない選手がいるが、野手はほぼ出揃ったと言えるだろう。となれば、現時点でまだ出場していない選手は、開幕でやや出遅れたと言えそうだ。

 4月6日終了時点で、今季の1軍出場がない各チームの主要な野手を見ていこう。

【パ・リーグ】

○日本ハム
捕手 大嶋匠
内野手 杉谷拳士、飯山裕志、大累進
外野手 谷口雄也、大田泰示、淺間大基

人気者の杉谷が、まだ1軍登録されていない。またFA移籍した陽岱鋼の後釜を争う外野勢、谷口、淺間、そして巨人からトレード移籍した大田が出遅れている。

○ソフトバンク
捕手 斐紹
内野手 明石健志、高田知季
外野手 吉村裕基

内野ユーティリティの明石、勝負強い代打の切り札、吉村が出場していない。

○ロッテ
捕手 吉田裕太、江村直也
内野手 細谷圭、三木亮、高濱卓也、根元俊一、福浦和也

内野の中堅、ベテランどころが未出場。若手が登用されているからだ。2000本安打まであと68本の大ベテラン福浦も1軍登録されていない。

西武は金子、楽天はオコエ、巨人は新加入の陽が1軍登録なし

○西武
捕手 森友哉
内野手 鬼崎裕司、永江恭平、渡辺直人、呉念庭、木村昇吾、水口大地
外野手 金子侑司、坂田遼、熊代聖人

昨年の盗塁王・金子と捕手・森は故障で出遅れる。多くの実績ある野手が未出場だが、これは辻新監督になって選手の起用法が変わったことが影響していると思われる。

○楽天
捕手 足立祐一
内野手 阿部俊人、中川大志、吉持亮汰、内田靖人、西田哲朗
外野手 オコエ瑠偉、枡田慎太郎、福田将儀

中川、西田など、一時は将来を嘱望された選手がくすぶっている。昨年オフに話題を振りまいたオコエも2軍スタート。

○オリックス
捕手 山崎勝己、伏見寅威
内野手 モレル、園部聡、奥浪鏡
外野手 吉田正尚

中軸を打つことが期待される2年目の吉田正尚が3月途中から欠場。チームには痛手だ。2年目の外国人モレルも1軍ではプレーしていない。

【セ・リーグ】

○広島
捕手 磯村嘉孝
内野手 梵英心
外野手 赤松真人、岩本貴裕、野間峻祥

オフに癌が見つかり、手術をした赤松を球団は選手登録したままにしている。一日も早い復帰が待たれる。ベテラン梵は、今年も2軍スタート。

○巨人
捕手 相川亮二、實松一成
内野手 クルーズ
外野手 陽岱鋼、ギャレット、橋本到、堂上剛裕

期待がかかる陽岱鋼が故障で出遅れているのは悩ましい。クルーズも出番がない。

阪神は今成、ヤクルトは川端、中日は森野

○DeNA
内野手 山下幸輝、G.後藤武敏
外野手 下園辰哉

故障者は少ない。代打の切り札G.後藤武敏が2軍スタート。

○阪神
捕手 岡崎太一、坂本誠志郎
内野手 今成亮太、西岡剛、陽川尚将
外野手 横田慎太郎、板山祐太郎、伊藤隼太、緒方凌介

昨年、金本監督によって抜擢された選手の多くが2軍スタート。怪我からの復帰を目指す西岡、3月に2軍降格した今成ら主力級も未出場。

○ヤクルト
内野手 川端慎吾、今浪隆博
外野手 比屋根渉、飯原誉士、武内晋一

一昨年の首位打者、川端が故障で出遅れている。外野守備の名手、比屋根渉も2軍スタート。

○中日
捕手 桂依央利
内野手 福田永将、高橋周平、森野将彦、谷哲也
外野手 野本圭、近藤弘基、松井佑介

主力選手の期待がかかる高橋、中軸を打ったこともある福田、大ベテラン森野と大物内野手が出遅れ、頭が痛いところだ。

 以上が、活躍を期待されながら、開幕2カード目終了現在、1軍出場を果たしていない主な選手だ。だが、出遅れたと言っても、まだシーズンは始まったばかり。ここから盛り返して、チームの勝利に貢献してほしいところだ。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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