個人が集まる共同オフィス人気 “発祥”は神戸

画像一つの空間で仕事をする利用者ら=姫路市南町

 起業家やフリーランスら異業種の人たちが空間を共有し、情報などを交換する「コワーキングスペース」が、神戸や姫路市を中心に人気を集め、兵庫県内で約30カ所まで増えている。米国発祥のスタイルで、日本では7年前に神戸で初導入。1年後に伝わった姫路では、個性を生かしたスペースが共存し、独自の浸透ぶりを見せる。新たなスタイルの魅力は何か。開設者や利用者の視点から探った。(宮本万里子)

 「独りだと発想も尽きる。フリーの人がつながる場が必要だと思った」

 2010年5月、国内初のコワーキングスペース「カフーツ」を神戸市中央区多聞通2に開いた伊藤富雄さん(59)は振り返る。

 開設前は個人事業者ら向けにセミナーを開いていた。その場が、参加者による情報交換と仕事の幅を広げる機会になっていたことから、仕組みづくりを模索。海外で定着していたスタイルを知り、実践した。

 姫路では1年後に登場。コンサルタントの中安豪(つよし)さん(45)は、独立して自宅で仕事をしていたが、人とのつながりや刺激が足りないと実感。自ら開設したJR姫路駅前の「ロバスト」(姫路市北条口1)が「理想の仕事場」と語る。

 スペースは現在、JR姫路駅周辺だけで6カ所ある。各スペースに特色があり、企業がサテライトオフィスとして商談などに利用する場所もあれば、クリエーターや学生ら幅広い層が集う場所も。すみ分けが進み「多様なニーズに応えている」と伊藤さん。

 スポーツイベント企画・運営業の岩田豪(ごう)さん(36)は3年前から「モコ」(同市南町)を利用。「仕事で協力できる人と出会えた」

 NPO法人運営の「コワーキングスペース電博堂」(同市南町)は、企業や団体の会議、教室での利用が主流。法人理事長の玉田恵美さん(47)は「グループで気軽に使える場として重宝されている」とみる。

 「姫路スタイル」(同市東延末3)は個人事業主が多く、運営者の福永友香さん(46)が異業種の利用者を引き合わせ、つなぐ役割も担う。ウェブデザイナーの國光洋志さん(39)が開いた「シェアーズ」(同市二階町)はキッチンを備え、アロマセラピストをはじめ、女性の利用が8割を占めるという。

【コワーキングスペース】個人が仕事場として利用し、交流もできる施設・場所。利用料を払えばフリーで使える電源や無線LAN、ファクス、コピー機、プリンター、ドリンクバーなどを備える。利用者が個人事務所として登録できる所も多い。料金はおおむね1日500~3千円、月5千~2万円程度。会議室や個室などを備える施設もある。

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