熊本地震から1年 傷痕、今も深く

“仮住まい”4万7725人

画像熊本地震から1年。被災家屋の解体が進み、更地が広がる益城町中心部を朝日が照らす。奥は阿蘇方面で、中央右奥の大きな建物は町文化会館=13日午前6時40分ごろ(谷川剛・高見伸、小型無人機で撮影)画像

 震災関連死を含め222人の命を奪った熊本地震は14日、発生から1年を迎えた。県の集計では、3月31日時点で2万206世帯4万7725人が県内外の仮設住宅や公営住宅で“仮住まい”を強いられている。約1万4千棟の被災住宅の解体が残っており、自宅再建のめどが立たない被災者も多い。インフラ面でも開通が見通せない幹線道路や鉄路があり、復興への課題は山積している。

 県によると、仮住まいの被災者は2016年12月時点より約6千人増えた。民間賃貸住宅の「みなし仮設住宅」への入居が進んだ。

 内訳は、県内の応急仮設住宅に4179世帯1万985人、みなし仮設住宅に1万4621世帯3万3685人が入居。市町村営などの公営住宅には1026世帯2278人が入っている。

 県外では、みなし仮設に84世帯147人、公営住宅に296世帯630人が暮らす。

 多くの被災自治体で3月末に罹災[りさい]証明書の申請受け付けが終了し、4月12日現在の交付は20万2264件。県と市町村は被災者支援に取り組んでいるが、益城町の応急仮設では3月下旬、初のケースとみられる「孤独死」が発生。被災者の見守り態勢の拡充が急務となっている。

 一方、自立再建が困難な被災者向けの「災害公営住宅」の整備はこれから本格化する。熊本市や益城町など12市町村が計1027戸を計画中。最も早い宇土市と甲佐町では17年度中に計47戸が完成する見通しだ。

 インフラ関係では、落橋した阿蘇大橋付近の山腹崩壊現場の復旧は難工事で、JR豊肥線の立野(南阿蘇村)-阿蘇(阿蘇市)の再開のめどは立っていない。橋などが被災した南阿蘇鉄道も立野-中松(南阿蘇村)の運休が続く。寸断された国道57号の新ルートや新阿蘇大橋などの開通時期は未定だ。

 地震による負傷者は2682人。建物被害は19万705棟に上る。一連の地震活動は依然続いており、12日現在、震度1以上は4296回に上る。

 3月1日時点の県推計人口は177万1697人で、前年から1万2227人減少。減少率は0・69%で0・25ポイント拡大した。被害の大きかった南阿蘇村(減少率4・9%)、益城町(同4・35%)、西原村(同3・26%)の減少が目立つ。

 14日は県庁で県主催の犠牲者追悼式があり、安倍晋三首相も出席する。(並松昭光)

あなたにおすすめ