『創作あーちすと NON』のん著 自由にはみ出す生命力

画像

 おかえり、のんちゃん。

 能年玲奈あらため、のん。「あまちゃん」主演を期に一躍時の人となり、その後しばらく表舞台から姿を消していた彼女。「のん」と名を変え再びメディアに本格的に戻ってきたのは、ここ数カ月のこと。本書は「創作あーちすと」を自称する彼女の頭の中を具現化させたフォトブックだ。

 白いドレスに自由にペンキで絵を描き、それを着てのフォトストーリー、そして憧れの人たちとの対談(矢野顕子に桃井かおりに清水ミチコなどなど……って、完全にミッチャンモノマネファミリーではないですか)、そしてのんちゃん憧れの宇野亞喜良アトリエに遊びに行ったり、使い捨てカメラを片手に生まれ故郷を訪れたり……といった内容になっている。

 故郷を訪れた時に足を運んだ「Mスタジオ」。子供たちのためのスタジオで、自由に出入りし、楽器を練習できる場だったようだ。「やりたいことやってごらん、手伝ってあげるよ」と言ってくれる大人が近くにいたこと。学校では教えられない部分を育んでくれる場所があったこと。のんの自由さ、純粋培養のまっすぐさの原点を見たような気がした。

 新生のんの完全復活を告げる本書。楽しそうに、のびのびとはみ出しているのんの姿が印象的だ。そしてそれと同時に周りの対談相手や作り手である大人達の「どうか彼女の生命力が、表現欲が潰されないように」という切なる願いが全体から溢れているのも印象的だ。

 あと余談だが対談相手である桃井かおりの相変わらずさも(別に望んでないけど)溢れていることも伝えておきたい。

 インタビューはこのような感じ。

桃井 あのね(以下約300字)

のん なるほど。

桃井 私ね(以下約500字)

のん え?(笑)

桃井 もうね(以下約600字)

のん (笑)

 会話の壁打ち……。そんな天然炸裂な場面も微笑ましい。のんが、彼女が今いる場所が、こんなふうに彼女のまま、自由なままでいられる場所であればいいなと願う。何はともあれ、おかえり。待ってたよ。

(太田出版 1800円+税)=アリー・マントワネット

あなたにおすすめ