メジャーでも信頼掴んだ元燕バーネット レンジャーズの新守護神候補に浮上

レンジャーズ移籍2年目を迎えたトニー・バーネット投手が、新クローザー候補に浮上している。ヤクルト時代には通算97セーブをマーク。2015年のセ・リーグ優勝にも大きく貢献した右腕が、メジャーでも守護神として活躍することになるのか。地元メディアは有力候補の一人として名前を挙げており、大きな注目が集まる。

レンジャーズのトニー・バーネット【写真:Getty Images】

レンジャーズ守護神が絶不調で“失格”、後任候補にバーネットの名前

 レンジャーズ移籍2年目を迎えたトニー・バーネット投手が、新クローザー候補に浮上している。ヤクルト時代には通算97セーブをマーク。2015年のセ・リーグ優勝にも大きく貢献した右腕が、メジャーでも守護神として活躍することになるのか。地元メディアは有力候補の一人として名前を挙げており、大きな注目が集まる。

 レンジャーズには、昨季38セーブを挙げ、今春のWBCにも米国代表として出場したダイソンがいるが、開幕から絶不調。12日(日本時間13日)のエンゼルス戦では3点リードの9回に4安打3失点と炎上して、今季2度目のセーブ失敗となった。3日(同4日)の開幕戦では同点の9回に3失点で敗戦投手となり、5日(同6日)のインディアンス戦では5失点を喫して2点のリードを守れず。ここまで4試合で0勝2敗、防御率33.00と散々な成績でクローザー“失格”となっている。

 後任の第一候補は、順当にいけばセットアッパーの剛腕ブッシュだが、こちらは右肩の故障で検査を受けたばかり。故障者リスト(DL)には入っていないものの、今後の見通しは不明となっている。

 そこで、有力候補として浮上しているのが、メジャー1年目の昨季は53試合登板で7勝3敗、防御率2.09と好成績を残し、今季も信頼できる救援右腕として4試合登板で防御率2.25と好投を続けているバーネットだ。

 米放送局「WFAA8」電子版は、レンジャーズの新クローザー候補について特集記事を掲載。その中でバーネットの名前を挙げ、寸評では「日本での5年間で97セーブを記録し、最終年には41セーブを記録した。昨季32歳のオールドルーキーとしてレンジャーズでデビューしたバーネットは、シーズンが進むにつれてゲーム中盤の中継ぎから、終盤を担当し信頼される存在となっていた。ブルージェイズとのリーグ優勝決定シリーズでは4イニング無失点の好投であった」と紹介している。

14日のエンゼルス戦ではセーブ機会でバーネットが登板予定だった?

 その他には、去年ブルワーズで27セーブを挙げているジェフレスも候補の一人と指摘。その他にも複数の選手を挙げているが、バニスター監督はクローザー経験者が望ましいと発言しているという。ただ、バーネットもメジャーではクローザー未経験とはいえ、日本で確かな実績を誇るだけに、指揮官がどう判断するか。ジェフレスは今季、7試合登板で0勝1敗、防御率3.18となっている。

 また、地元紙「スターテレグラム」のジェフ・ウィルソン記者は、レンジャーズが8-3で勝利した13日(同14日)のエンゼルス戦では、9回に2点を加えなければバーネットが最終回に登板する予定だったと指摘。6-3であればセーブ機会となっていたため、“新クローザー”が投げるはずだったわけだが、実際に「守護神バーネット」で準備が進んでいたというのだ。

 MLBでの登板経験がないままヤクルトに移籍し、日本での6シーズンで成長を遂げて、メジャーデビューという夢を叶えたバーネット。しかも、ヤクルトへの感謝の気持ちから、当初は球団に譲渡金が入るポスティングシステム(入札制度)での移籍を目指した。結局、ポスティングでの移籍は成立せず、FAでレンジャーズと契約したが、その心意気は大きな感動を呼んだ。

“日本育ち“の右腕は、メジャーでもクローザーの座につくことは出来るのか。バーネットが試合を締めてセーブを挙げて、ダルビッシュが勝利投手に輝く――。こんな試合が見られるようになるかもしれない。

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