活断層リスクまちづくりに 29日、野比海岸で観察会

 ◆三浦半島調査会「阪神」契機に活動続け 横須賀、三浦市内などに分布する活断層を研究する市民団体「三浦半島活断層調査会」(茅野教幸会長)が、地元住民らと足元のリスクを見つめ直す地道な活動に力を入れている。29日には、横須賀市・野比海岸付近に延びる北武断層の観察会を開き、活断層の位置や情報をまちづくりにどう生かしていくかを考える。

 同調査会は、直下型地震を起こす活断層の危険性を知らしめた1995年の阪神大震災を機に、同年7月に発足。半島内に密集する複数の活断層が過去に起こした地震活動の痕跡などを調べ、その存在を住民や自治体に周知して対策を促している。

 発足20周年を記念して昨年3月からは、衣笠断層や南下浦断層、引橋断層などの観察会を計5回開催。新たな会員や住民にこれまでの調査成果を伝えるとともに、周辺環境の変化なども確かめた。

 その間に発生した熊本地震で活断層が再び注目され、「薄れていた住民の関心が高まっている」と浅見茂雄顧問。一般の参加者からは「活断層の存在は知っていたが、具体的な場所は知らなかった」といった声が上がっている。

 こうした現状を踏まえ今月29日に訪ねるのは、宅地開発の際に活断層の直上を公園にし、直接的な影響を回避する策が講じられた野比海岸付近の北武断層。昨年5月にも横須賀市自然・人文博物館の企画で訪ねたが、改めて足を運び、危険性を理解した上でどう暮らしていくかを話し合う。

 参加費500円。同調査会事務局の赤須邦夫さんにメール(akasu@jcom.zaq.ne.jp)か往復はがきで申し込む。20日締め切り。問い合わせは、赤須さん電話0467(24)0935。

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