【リポート】辺野古から

自民沖縄、選挙にらみ「容認」前面

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米軍普天間飛行場の辺野古移設容認を前面に打ち出し、気勢を上げる自民党沖縄県連=8日、那覇市
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自民党幹事長に辺野古容認への方針転換を伝え、要望書を手渡す党沖縄県連会長=2013年11月、東京・永田町の自民党本部

 自民党沖縄県連は今年から米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を容認する方針を前面に打ち出す。「辺野古を含むあらゆる可能性を追求」とした曖昧戦略からの変更。昨年12月の最高裁判決を背景に、来年の名護市長選や知事選をにらみ、翁長雄志知事ら移設反対派との対決姿勢を鮮明にする狙いだ。

 県連は4月8日、那覇市で大会を開き、辺野古移設について「普天間飛行場の危険性除去のため容認する」と明記した県連政策を正式決定した。

 辺野古移設計画が浮上した当初は容認していたが、県外移設を掲げた民主党中心の鳩山政権が2009年に発足すると、翌10年1月から県外移設要求に方針を転換した。

 12年に自民党が政権を奪還。安倍政権は13年11月、自民党所属で沖縄県を地盤として「県外移設」を主張していた衆参両院国会議員を辺野古容認に転じさせた。県連にも方針転換を強く迫り、県連も辺野古容認に回帰した。ただ、県連政策は「あらゆる可能性を追求」との表現にとどめていた。

 県外移設を掲げて当選した仲井真弘多知事(当時)が13年12月、辺野古の埋め立てを承認。辺野古移設への反発が強まり、14年1月の名護市長選は辺野古反対派の稲嶺進氏が再選、11月の知事選では翁長氏が仲井真氏を破り初当選した。沖縄県では衆参両院の全ての選挙区でも自民党候補が敗北しており、自民党県連は「容認」を明確に打ち出せない状況が続いていた。

 昨年12月、辺野古移設を巡る訴訟の最高裁判決で政府が沖縄県に勝訴した。「辺野古移設が唯一の解決策」と掲げる安倍政権は最高裁判決を「お墨付き」として移設工事を強く推進する方針で、県連は「あらゆる選択肢を検討する段階ではなくなった」(幹部)と判断した。

 今年1月の宮古島市長選と2月の浦添市長選は、安倍政権が支援する現職と、翁長知事が推す候補との対決の構図となり、いずれも政権側が勝った。県連幹部は「翁長知事が誕生したころに比べ、県内の雰囲気はかなり変わってきた」と翁長氏の求心力の低下を指摘。「辺野古の工事が進むほど、『容認』が有権者の理解を得られるようになる」と予測する。

 4月8日の県連大会。登壇した県連幹事長の中川京貴県議は、最高裁判決後も移設阻止を図る翁長知事の姿勢を「国と県の対立は修復が不可能な関係に入った」と批判。国からの予算確保などに触れ「あらゆる面に影響が出ている」と強調し、来年1月に想定される名護市長選、11月とみられる知事選を最大の政治決戦と位置付けた。(共同通信=那覇支局・岡田圭司)

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