新日鉄住金は19日、ホンダの大型スポーツバイクの燃料タンクにチタンが採用されたと発表した。公道を走行できるバイクの燃料タンク本体にチタンが使われるのは世界で初めて。レース用バイクの同部品には昨年採用されていた。同時にマフラー素材にも同社製チタンが採用された。
ホンダが3月に発売した大型スポーツバイクの最新モデル「CBR1000PR SP」の燃料タンク素材として純チタン1種材「TP270C」が採用された。マフラーには同2種材「TP340C」などが使われる。
同バイクは軽量化を徹底したCBRシリーズの最上位モデル。従来の燃料タンク素材はステンレスだった。これをチタンに切り替えたことで燃料タンクの重量が4割強軽くなった。マフラーの従来素材もステンレスだった。
新日鉄住金は昨年、ホンダのレース用バイクの燃料タンク本体にチタンが採用された実績がある。同部品へのチタン適用はこの案件が世界初だった。
レース用に続き量産タイプの公道用バイクにも適用が広がった形だ。
今回の採用に向けて新日鉄住金はチタンの素材だけでなく、良好な形状に成形するための加工技術もホンダに提案。チタン薄板のプレス成形性や溶接性、プレス成形性を左右する材質異方性などが高く評価され、受注にこぎつけた。