衆院区割り案で先行き不安も 青森県内

画像新たな区割りによって現在の2区が消滅し八戸市などと一緒の選挙区になる十和田市の中心街。現2区の有権者の思いは複雑だ=19日

 「地域の声が届かなくなる」「存在感が薄まるのでは」。衆院小選挙区の区割り改定案で定数が1減の3となり旧3市を中心に再編される青森県内では、消滅する現2区の有権者を中心に基地問題などの課題や地域振興の先行きを不安視する声が上がった。一方、人口減や1票の格差への対応を踏まえ「仕方がない」と冷静な受け止めも聞かれた。

 八戸市を中心とする現3区に編入する三沢、十和田両市。三沢市松園町3丁目、会社役員・相場一宏さん(45)は「基地のある三沢の意見が国に届きにくくなったり、三沢の地域特性を反映した施策が行われなくならないか心配だ。旧2区エリアの票が軽んじられるような新たな格差が生まれないか」と危惧する。

 十和田市西十一番町、無職・豊田伍郎さん(87)も「(八戸は大きい街なので)十和田は八戸の陰に隠れてしまうのではないか。十和田は存在感を示していく必要がある」と訴えた。

画像前回衆院選で1票を投じる有権者。県内では区割り変更により、投票先の選択肢が変わる県民も少なくない=2014年12月14日、青森市の浪館小学校

 「青森市と一緒になると、むつ市や下北の声が届きにくくなる」。新1区に入るむつ市の自営業・三國茂雄さん(83)も率直に語った。

 同じく新1区となる六ケ所村の建設会社代表・田中良孝さん(68)は「地元の議員をずっと応援してきたので残念。むしろ八戸の方が心理的にも近い。区割りを決めるときは住民の意見も聞いてほしかった」と不満を口にした。

 前回の区割り変更に続いて、今回も選挙区が変わる五戸町。現3区に編入することに、養鶏会社経営・三浦誠治さん(74)は「長年慣れた地域に戻る感じだ。投票率も上がるのではと考えている。人口減少の中、議員数が減るのは当然」と語った。

 新3区となる五所川原市の建設会社役員・工藤智哉さん(29)は、建設業は地方ほど公共事業への依存度が大きい-とした上で「公共事業の継続性がきちんと確保できるのかどうか、不安は残る」とし「新たな区割りで当選する議員には、地域の実情をしっかりと見てほしい」と注文を付けた。

 市域の分割が解消される青森市浪岡地区。「新1区の候補者を一から知るには時間がかかる」と無職・石村博一さん(74)。逆に「行政区分と選挙区が分かれていたのはおかしかった」と歓迎の声もあった。

 今回の区割り改定案に理解を示す意見も聞かれた。青森市の地方公務員・吉田優香さん(18)は「人口によって1票の重みが違うというのは良くない。1票の格差が少しでも良くなるのであれば区割りの変更はいいことだと思う」と賛同した。

 弘前市の平山幸一・中土手町商店街振興組合副理事長(55)は「出る人が元々どこの選挙区なのか、農業系なのか商業系なのか-などによって気持ちは変わってくるが、公平に物事を見てくれる人が出てくれればそれで良い」とし、南部町の会社員・工藤太一さん(31)は「投票基準は候補者でなく政党の政策で決めているので影響はない」と語った。

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