還元スラグの人工石化、トーカイ(北九州)で初の合同視察会=ニッコーとSUN企画

スラグ処理の課題解決へ、技術者ら高い関心

製鋼設備メーカー、ニッコー(本社・神戸市、社長・有働英司氏)と電気炉系スラグの技術開発を手掛けるSUN企画(本社・名古屋市、社長・宇対瀬強一氏)は19日、還元精錬で生じる還元スラグを人工石化する技術の合同視察会を電炉メーカーのトーカイ(本社・北九州市、社長・足立仁氏)で開催し、メーカーの技術者ら約30人が集まった。視察会は今回が初めて。

 実際に還元スラグを鋳型に鋳込む作業と、鋳型から人工石を取り出す作業を見学した後、説明会が開かれた。参加者からは試験結果の確認や販売先の見通し、鋳型を大型化する上での課題など多くの質問が寄せられた。処理方法の確立されていない還元スラグを石材として商品化できれば、電炉メーカーのコスト低減や環境対策などの課題解決につながるとして高い関心を集めていた。

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鋳型と人工石を囲む参加者

 同技術はSUN企画とニッコー、山口鋼業(本社・岐阜市、社長・山口浩之助氏)の3社で共同開発し、特許も3社で取得している。

 型に鋳込んだ還元スラグの温度を1380度以上に4時間保った後、1時間当たり10度程度と極めて緩やかに750度以下まで冷却(超徐冷)することで強固な鉱物相を形成して人工石化する。

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鋳込み作業

 今回の視察会ではテーパー角を改良した鋳型を使用して約3トンの人工石材を取り出した。参加者は鉄板で耐火物を挟んだ〝魔法瓶〟構造の鋳型とその形状、石材の表面などを興味深く調べていた。

 説明会では同技術が開発された経緯や還元スラグが人工石化される理論的な裏付け、試験実施の流れや特許料などを詳細に紹介。用途に合わせ3~10トンの石材製造が想定されるほか、販売先には造園業や土木業などが有力視されるとした。

 宇対瀬社長は「人工石化の技術自体は間違いない。ぜひとも自ら導入への第一歩を踏み出してほしい」と訴えた。視察を終えた参加者からは「非常に興味深い技術。販売先の開拓など時間は必要だが、試験はしてみたい」などの声が聞かれた。

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