【植田アルマイト工業の経営戦略】〈植田信夫社長に聞く〉今期売上高、最高の30億円目指す

アルマイトに特化、業容拡充

植田アルマイト工業(本社・大阪府堺市東区、社長・植田信夫氏)は、1948年創業のアルマイト・硬質アルマイトなどのアルマイト専業メーカー。専業メーカーとしては業界最大手。植田社長は「来年が創業70周年の節目。ここ数年、業績は堅調で今期は過去最高となる売上高30億円を目指している」と話す。落成して間もない新社屋で植田社長に話を聞いた。(白木 毅俊)

――まず、貴社の概要から。

植田アルマイト工業・植田信夫社長

 「拠点は本社工場・堺硬質工場(堺市東区)と、三重工場・三重硬質工場(三重県三重郡菰野町)。アルマイトは形材、板材、硬質が3本柱。形材は建材向けや車両関係など多種にわたる。板材はパネル建材に多用されている。硬質アルマイトは耐摩耗性が要求される自動車や産機部品、半導体・液晶装置部品、食品製造機械部品など多様な分野で用いられている。足元の月産量は本社および三重工場で生産する形材が1400トン、板材(本社工場)が300トン。硬質アルマイトの月産加工能力は2工場で5千平方メートル。従業員は190名」

――業容はいかがですか。

 「ここ数年、硬質アルマイトが伸びている。売上高における建材向け比率は約20年前では8割だったが今は5割で、向け先が多様化している。トラック架台などが好調で、形材および板は現在フル稼働だ。2016年度の売上高は約29億円だった。三重工場は昨年、人手の問題により本来の3班2交代ではなく2班体制を強いられた。今期はそれが解消でき、売上高は過去最高となる30億円を目指したい。当社の場合、売上高には材料費が一切入っておらず、加工賃のみを計上している」

――今後の課題はと設備投資案件は。

 「年間予算約2億円で2~3年前から、工場別での装置類の更新に取り組んでいる。具体的には冷凍機や整流器などだが数も多く、故障する前の対処が大事になる。順次更新している。大型投資では14年2月、本社に板アルマイトラインおよび板材自動倉庫・形材倉庫を兼備した新工場を立ち上げた。大型投資は一段落している」

――人材育成は。

 「今春、新入社員は7名が入社した。その内の1人は大卒女子で営業職を担当してもらう。女性の営業職は当社では初めてだが、十分に活躍できると期待している。社員がここで働いて良かったと思ってもらうため環境を整えるのが私の使命。近年、定着率も良くなっている」

――独自技術や植田アルマイトの売りは。

 「形材では国内随一のカラーバリエーションを持つ。例えばホワイトで純白、アイボリー、その中間と3色ある。冷凍車外装のホワイト、一般トラックのリヤドア(白色)、LED反射板などで引き合いが多い。マット処理はダイスラインの筋を目立たなくする技術だが、需要が好調だ。マット処理はブロンズなど30以上のカラーに対応でき、国内唯一だ」

――来年の節目に向け決意を…。

 「アルマイト専業の同業者で切断や穴加工などの二次加工を行うところも多いが、当社ではほぼアルマイトの表面処理のみを行っている。専業メーカーとして得意分野のアルマイト事業に磨きをかけることが差別化となり、業容の拡充につながる。アルマイトのことならばどこにも負けないと自負しているが、そのこだわりが当社の根幹で経営戦略だといえる。引き続き地道に業容拡充に努めたい」

©株式会社鉄鋼新聞社