<登米市長選>市役所新庁舎建設で論戦

画像本庁機能の一つがある登米市役所迫庁舎。新庁舎建設問題は、市長選で2人の候補者の主張が明確に分かれる

 任期満了に伴う登米市長選(23日投開票)は、市役所新庁舎建設を巡り2人の候補の主張が真っ向から対立する。建設白紙撤回を掲げる新人熊谷盛広氏(66)は「建設の是非を問う選挙」と位置付け「一点突破」を仕掛ける。現職布施孝尚氏(55)は3期の実績を訴えつつ、「行政機能が分散する現状の改善」と建設の必要性の説明にも力を注ぎ、迎え撃つ。

 布施氏の個人演説会は後援会幹部の話で始まる。「建設を検討するのが旧町長らによる合併協議会の申し送り事項だ。熊谷さんが争点にするとは思わなかった」。9町合併で市になった12年前から建設の方向性はできていたとの主張だ。

 布施氏は「3カ所に分かれる本庁機能を1カ所に集約したい」と建設の理由を強調。「本庁舎や支庁舎は経年劣化で莫大(ばくだい)な維持費がかかる」「合併特例債が使える期間の完成で市の負担が軽減される」「合併後の職員数が適正に落ち着いた現在、庁舎の規模を決められる」とメリットを説く。

 後援会幹部は「福祉や産業など庁舎以外の市政課題の論戦もしたい」と3期の取り組みへの評価を有権者に求める。

 一方の熊谷氏は「布施さんが当選すれば庁舎は建つ。私が勝てば建てない。そういう選挙」と訴える。個人演説会では「遊説中、多くの人から『新庁舎を建てては駄目』と言われる。市民の怒りを感じる」と語気を強める。

 「少子高齢化が進む将来に膨大な借金を残してはいけない。医療や若者定住対策などに予算を回すべきだ」と熊谷氏。「特例債は国民の税金。借金に変わりはない」と持論を述べ、「庁舎を新設せずに比較的新しい既存の支所を有効利用すればいい」との案を示す。

 選対幹部は「市はなぜ、もっと早く市民と意見交換をしてこなかったのか。これまで本庁舎と支所のあり方の議論がなかったのも疑問だ」と指摘する。

 登米市内の商店経営男性(58)は「庁舎は分かりやすい争点だが、決めかねる」と頭を悩ます。市内の自営業男性(42)は「庁舎問題に関心がある。建設した場合まちがどう変わるのか、建設しなかった場合は何に予算を回すのか、もっと具体的に知りたい」と両氏に注文を付ける。

 ◇登米市長選立候補者 布施孝尚55市長   無現(民推) 熊谷盛広66農林業  無新

[登米市役所新庁舎建設]2015年に市が構想を発表。21年度の完成を目指す。候補地は迫庁舎敷地と県北高速幹線道路佐沼インターチェンジ付近の2カ所。迫庁舎敷地に建設する場合の事業費は約65億円。25年まで使える合併特例債活用で、市の一般財源からの支出は事業費の約33%。迫庁舎は1975年建築で耐用年数は約65年。

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