「住民主体型介護」京都府内は4市町のみ 担い手不足影響

 国が一律で内容や料金を決めていた「要支援1、2」の人向け一部サービスが介護保険給付から切り離され、4月から市町村の事業となった。ボランティアやNPO法人といった地域の団体が支援主体となるサービスを2017年度中に導入するのは、京都府内26市町村のうち4市町にとどまる。国はボランティア参入によって社会保障費抑制を狙うが、多くの市町村は「担い手がいない」と困惑している。

 府内で「要支援」の人に対し、ボランティアらが関わる「住民主体型」事業で、体操や会食など介護予防の通所サービスを実施しているか、本年度中に始めるのは宇治、八幡、精華の3市町。向日市と精華町は、家事など生活援助を中心とした訪問サービスを行う。

 京都市のように、「要支援」以外にも対象を広げ、ボランティアがごみ出しなど簡易なサービスを提供する制度を持つ自治体もあるが、多くの自治体では、ヘルパーらがいる介護事業者頼みの状況が続く。サービス内容や利用料は自治体の裁量のため、財政難に陥ればサービス縮小や対象者切り捨ての恐れもある。

 背景には、人口減と高齢化が進む地域での担い手不足がある。宮津市地域福祉介護課は「住民主体型の導入を検討したが、手を挙げる団体がなかった」、笠置町保健福祉課は「受け皿となり得るボランティア団体がなく、無理がある」と説明する。

 亀岡市高齢福祉課は「助け合いの機運が介護の分野で十分に醸成されていない中で、サービスを実施しても意味がない」といい、現時点での住民主体型サービスの導入に懐疑的だ。

 一方、総合事業のうち、家事などの生活援助を担う「緩和型」は身体介護を伴わず、専門職以外の参入が期待されている。だが、京都や宇治、精華など12市町が16年度までに実施した養成研修の参加者は計約700人にとどまる。

 府内で通所・訪問介護を利用する要支援1、2の人は約4万人に上り、新サービスの担い手不足が明らかになっている。一方、緩和型では介護報酬が引き下げられ、専門職の状況も厳しくなっている。

■ヘルパー減らし疑問

 京都ヘルパー連絡会の櫻庭葉子事務局長の話 私が代表理事を務める中京区の事業所は採算が合わず、総合事業の新サービス指定の申請を見送った。単純な家事支援だけでは初期の認知症などに気付きにくく、介護度が上がる恐れもある。要支援の段階でヘルパーが関わることが重要だ。ヘルパーが減り、介護の質も低下する今の総合事業の進め方には疑問を感じる。

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