<にゃんとワンポイント>におい付け不安解消

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マーキングした場所などに使用する「猫用フェロモン製品」。過度な緊張を解く効果が期待できるという

◎猫のマーキング行動

 新年度が始まる4月は、進学や就職、転勤などで猫と共に引っ越しをした愛猫家も多いでしょう。住環境の変化は猫にとって大きなストレス要因になります。作業中の騒音や、見知らぬ人の出入りは不安を増幅させます。

 転居先でよく見られるのが、新居内での頬すり、尿スプレー、爪研ぎなどの「マーキング行動」です。猫は自分のにおいのない新しい環境に置かれると、におい付けのためにこれらの行動を頻繁に行います。

 猫が柱や壁などに頬をこすり付ける姿を見たことがあるかと思います。これは頬から分泌されるフェイシャルフェロモン(F3)を塗り込み、自分のにおいを残しているのです。頬すりは、なじみのあるものに対して行う場合もあり、例えば飼い主に行うと愛情表現となります。

 尿スプレーや爪研ぎも、家の中を自分のにおいで満たすことが目的です。縄張りを誇示し、不安解消と環境への適応を図っているのです。

 いずれも猫にとっては極めて自然な行為ですが、尿スプレーや爪研ぎは飼い主にとって悩みの種となります。緊張を和らげるため、ベッドやタオル、トイレは使い慣れたものを用意しましょう。スキンシップを図り、体調の微細な変化にも注意してください。

 もう一つ、猫に安心感を与える方法として、猫用フェロモン製品の活用があります。フェイシャルホルモンに性質の似た化合物を含む液体で、スプレーや拡散タイプがあります。室内をフェロモンで満たすことで、過剰なマーキング行動を抑制する効果が一定程度期待できるようです。

 家族構成の変化や多頭飼育など、引っ越し以外で生じる不安の解消にも効果があるといわれています。興味のある方は動物病院に相談してみてください。(専門学校講師・獣医師 成沢千香)

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