「学芸員はがん」発言 県内でも批判相次ぐ

 山本幸三地方創生担当相の「文化学芸員が観光振興の一番のがんだ」という趣旨の発言を巡り、徳島県内でも批判の声が相次いでいる。地域に根差した歴史・文化を発信しようと、県内の文化施設では学芸員が中心になって、多彩な展覧会や催しを企画しており、学芸員らは「現場の仕事が分かっていない」と“非礼発言”に憤っている。

 徳島城博物館(徳島市)は9日、公募市民37人が武士らに扮(ふん)して徳島駅前などを練り歩く「徳島城時代行列」を行い、沿道から大きな拍手を浴びた。毎年夏の昼の阿波踊り公演や、同館前での人形浄瑠璃の小屋掛け公演は立ち見が出る人気となっている。根津寿夫館長は「(がん発言は)地域の魅力を分かってもらおうと懸命に努力している学芸員の仕事を理解していない」と驚く。

 相生森林美術館(那賀町)では、町内の道の駅や温泉施設などの観光施設と連携し、スタンプラリーを実施。県内の演奏家を招いたミュージアムコンサートなど、誘客イベントも開いている。同館学芸員は「来町者を呼び込む工夫を重ねているだけに、とても残念だ」と話す。

 村上水軍博物館(愛媛県今治市)、高知県立坂本龍馬記念館(高知市)など、四国他県でも文化施設は大きな集客を誇り、観光の目玉となっている。そうした背景として「専門知識を持つ学芸員が、催しや展覧会を充実させている」と指摘するのは、四国大文学部の須藤茂樹教授(博物館学)だ。

 須藤教授自身、徳島城博物館で長く学芸員を務めただけに「がん発言」は許せない様子。「博物館は地域の名前を高める広告塔の役割も持ち、学芸員は県内外からの集客に頭をひねっている。現場をきちんと見た上で責任ある発言をしてほしい」と語気を強めた。

 文部科学省によると、県内の博物館、美術館では32人が学芸員として働いている。

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