鎌倉花火大会開催へ 中止一転、鎌倉市長ら新実行委結成

 鎌倉花火大会中止を実行委員会が決定したのを受け、神奈川県鎌倉市の松尾崇市長は21日、当初予定していた7月19日に市の主催で開催すると発表した。実行主体として市民や関係団体など有志でつくる新たな実行委を週明けにも立ち上げ、寄付や協賛を募って事業費を集めるという。

 松尾市長は会見を開き、「多くの市民から開催してほしいという声をもらった」と説明、予算規模は例年通り約4千万円での開催を目標とした。発起人の一人である久保田陽彦・豊島屋社長も同席し「協賛したいという企業からの申し出が来ている」と資金面のめどが立ったとした上で、「新しい実行委はまだ発足してないが、見切り発車しないと(時間的に)間に合わない」と述べた。

 これまで市観光協会が担ってきた事務局機能は市観光商工課が担う。花火大会の担当者2人程度を配置し、関係団体との調整を進める。

 予算確保に向け、協賛金のほか、クラウドファンディングで目標額を1千万円に設定し、21日から一口3千円で寄付を募っている。新実行委はことし限りで、来年以降については改めて検討するという。

 花火大会をめぐっては3月、市観光協会に対する市の補助金を削除する予算案を市議会が可決。協賛金集めなどの準備が間に合わないとして協会が実行委退会を表明し、実行委が大会中止を決定した。

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