厚木基地で親睦深め 原発事故避難者らプレゼントを交換

 東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県富岡町を離れて避難生活を送るお年寄りや子どもとその保護者らが23日、在日米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)を訪れ、ジョン・ブッシー基地司令官らと交流した。

 交流は同事故が起こった2011年に始まった。同年、クリスマスを前に基地関係者が集めたおもちゃを支援団体経由で同町から避難した人々が暮らす同県三春町の仮設住宅に届けたことなどがきっかけだ。翌年以降は富岡町社会福祉協議会を窓口にプレゼントや義援金を届けてきた。協議会事業の中でフラダンスサークルが13年にできると、14年にはメンバーらが同基地を訪れ、バーベキューなどで親睦を深めてきた。

 この日は、22日に藤沢市で行われたフラダンスイベントの参加者計約30人が同基地を訪れ、プレゼントを交換した。ブッシー基地司令官は「友情が続いていることを誇りに思う。友情をずっと続けていきたい」と語った。

 自宅が帰還困難区域の小良ケ浜にあり、現在、同県郡山市富田町の災害公営住宅で夫(83)と2人で暮らす大岩チエ子さん(81)は「自宅に帰れない寂しさがある中で、やさしく迎えてくれて感謝しています」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社