【きらりと光るわが社の〝得意技〟】〈エヌ・エス・ケーニシダ工業〉新感覚のアルミ建材「アルミストーン」高意匠性で〝ブランド〟認知

 エヌ・エス・ケーニシダ工業(本社・大阪市、社長・西田康夫氏)は、アルミ意匠建材メーカー。1892(明治25)年の創業で、創業者西田捨吉氏が大阪市天王寺区で銅・真ちゅうの溶解・針金の生産を開始。1939(昭和14)年には西田商店を法人改組し西田伸銅所を設立した。現社名への変更は91年で、年商が3億3千万円。従業員は17名。関連会社に販社「ヤマス」を持つ

 

西田氏は旧住友金属工業に12年間在籍後、5代目社長に就いた。看板製品はアルミに和紙や天然石、木材などの風合いを持つ「アルミストーン」だ。

 「アルミストーン、研磨加工の受託、丁番などの建築金物製造が事業の3本柱。売上高比率はアルミストーンが50%で、研磨と建築金物が各25%。アルミストーンの拡販に力を入れており、数年後にはその比率を7~8割にしたい」(西田社長)。

 アルミストーンは、2000年に開発・製品化した。当時流行中のバイブレーション研磨をアルミに施しアルマイト処理すると、まるで御影石のような雰囲気の製品が誕生、それが契機となった。特長は広範囲な色の選択と和紙・天然石・木材などの風合いが表現できる点。特に溶融亜鉛めっきリン酸処理の風合いをアルミで表現できたことで需要がさらに広がった。ステンレスよりも硬く、型材での提供も可能だ。

 「『アルミストーン』は、素材×研磨×アルマイト加工×カラーを選択でき、バリエーションは無限だ。一品一品を、オーダーメードで製造している。約10年前に大手設計事務所からアルミ建材ブランドとして認知され、軌道に乗った」(同)。

 主な納入実績は大手町フィナンシャリティグランキューブ、ダイビル本館、JR西日本特別寝台列車「瑞風」など。納入実績は累計で大小合せ数百件、約4万平方メートル。

 足元の受注は好調だ。東京メトロ・駅改装、阪神百貨店梅田本店・改装などの案件がある。

 「今春から、アルミストーンをスパンドレル化した新製品『アルミストーン―スパンドレル』を売り出した。アルミ製スパンドレルは珍しくはないが、高度な意匠性を持つ製品では業界唯一。スパンドレル化したことで、業績の浮沈も抑制できる。今後も100年以上続く企業としての経験を活かしつつ、製品づくりを通し信頼される企業を目指す」(同)。(白木 毅俊)

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