〔霧島山・えびの高原〕硫黄山の一部観測点で再び傾斜変動を観測 火山活動の推移に注意(4/27)

福岡管区気象台・鹿児島地方気象台によると、25日に一部の観測点で傾斜変動が観測された、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山のえびの高原にある硫黄山で、きのう26日午後からきょう27日明け方にかけて、再び一部の傾斜計に変動が観測されました。気象台では27日17:00、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)に対して「火山の状況に関する解説情報」を発表し、今後の火山活動の情報に注意するよう呼びかけています。

気象台の観測によると、硫黄山では25日11:00頃から、硫黄山南西観測点の傾斜計で、硫黄山方向が隆起するような傾斜変動がみられました。この変動は22:00頃から次第に鈍化しましたが、きのう26日18:00頃から再び同じような傾斜変動が観測され、きょう27日05:00頃からこの変動は停滞しています。
なお、その他の傾斜計に特段の変化はなく、火山性微動も観測されていません。また、火山性地震も25日は6回、26日は2回、27日は15:00までに0回と少ない状態で経過しています。
一方、気象庁がきょう27日に行った現地調査では、硫黄山の火口周辺では噴気活動や大きな噴気音が認められたほか、前回(4月18日)の観測と比較して、硫黄山西側の熱異常域の拡大や噴気の量の増加が観測されました。

気象台は、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では、長期的に熱異常域の拡大や噴気の量の増加が認められるとして、火口周辺では火山ガスに注意するとともに、火口内では火山灰、噴気、火山ガス等の規模の小さな噴出現象の突発的な発生の可能性があるとして、今後の火山活動の情報に注意するよう呼びかけています。
なお、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)が継続しています。

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