「政治的、差別的ではない」川崎社長がAFCに反論姿勢 サポーター旭日旗掲出問題

 韓国で行われたサッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の試合でJ1川崎のサポーターが旭日旗を掲出したことに端を発した問題で、川崎の藁科義弘社長(59)は28日、「(旭日旗は)世間一般では普通に使われているもの。政治的、差別的とは思っていない」との認識を示した。処分を検討しているアジア・サッカー連盟(AFC)に対しては「JFA(日本サッカー協会)を通じて、主張すべきところは主張したい」と反論していく姿勢を強調した。

 25日に水原(韓国)で行われたACLの水原−川崎で、川崎サポーターの男性2人組が旭日旗を掲げたことで、水原サポーターが試合後に川崎の応援席に押し寄せ、出口をふさぐなどの騒動に発展した。

 具体的な処分に関しては今後、AFCの規律委員会で検討されるが、AFCは「差別的行為」を禁止する規約に抵触するとしており、川崎に少なくとも2試合の無観客試合と1万5千ドル(約167万円)の罰金などの処分が下される可能性がある。

 川崎市内のクラブハウスで取材に応じた藁科社長は「われわれが一番大事にしているのはお客さんに安心して楽しく試合を見てもらうこと。今回(騒動が起きて)それが守られなかったのはホーム、アウェー両方のクラブに責任がある」と強調。今後の対応については「まだ裁定が出たわけではないので、早急にわれわれだけで判断することはしない。サッカー界全体として、今回の話を引き金に(旭日旗を使った応援の是非などを)議論していくことが大切」と話した。

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