富士山と満開の大島桜をめで 山北町の大野山で山開き式

 山北町の大野山(標高723メートル)の山頂広場で29日、登山者の安全を祈願する山開き式が行われた。好天の中、約3500人の参加者は富士山と満開の大島桜をめでながら、登山シーズンの到来を喜んだ。同町観光協会主催。

 大野山は初心者でも登りやすく、同協会によると毎年8万人前後が山登りを楽しんでいる。式で同協会の会長は「山頂からは360度素晴らしい景色が見渡せる。ぜひ多くの方に大野山と山北町を訪れてもらいたい」とあいさつした。

 大野山の山頂一帯にあった県営の放牧場が昨年3月に閉鎖され、現在は小田原市の食肉加工・販売会社が足柄牛を育てている。式では足柄牛のステーキ200人分が振る舞われ、地元農家による旬の山菜の販売も行われた。愛好家がフォルクローレ演奏やコーラスを披露すると、来場者は手拍子しながら聞き入っていた。

 平塚市の団体職員(75)は「大野山は20代のころから登っている。天気が良く、桜と富士山が素晴らしかった」と話していた。

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