【浦和】大事なのは〝4つの使い分け″。柏木陽介が目指すチームとは

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[J1リーグ11節]新潟1-6浦和/5月14日(日)/デンカS
 
 浦和に頼もしい男が帰ってきた。肩の打撲により10節の鹿島戦を欠場した柏木陽介が、11節の新潟戦で先発出場。コンディションはまだ万全とは言えず大事をとって59分に途中交代したものの、上質なパスでチャンスを演出し攻撃のタクトを振るった。
 
 20分のFKの場面では、エリアのやや外から相手ゴールに向かうような高精度のキックで槙野智章のゴールをアシスト。さらに47分にはCKから遠藤航へのドンピシャのパスを供給した(遠藤のシュートは一度相手DFのブロックにあい、柏木にアシストはつかず)。
 
「前節はセットプレーのキッカーがいないなかで試合をしていたけど、今日はほぼパーフェクトだったんじゃないかな。でも結局アシストは『1』しかついてない。(遠藤)航には『一発で決めろよ、アシスト全然つかへんやんけ』と話をした(笑)。でもキックの質は高かったと思う。セットプレーで点が取れたらチームとしては楽だからね」
 
 柏木は手応えを語りセットプレーの重要性を説く。ただそれだけではなく、やはり流れのなかでこのレフティがボールを持った時はチャンスにつながる。新潟戦では「チームで『裏を狙え』と話をしていた」という柏木は、何度も相手の背後を突いた。
 
 新潟のFW鈴木武蔵は「ボールホルダーにプレッシャーをかけたかった。とくに柏木選手のところがフリーになっていて、何本も良いボールが来ていた」と振り返るように、柏木の左足は相手の脅威となっていた。
 
 ただ、このレフティボランチの狙いは単に背後を狙うだけではない。
 
「鹿島戦にしろ、大宮戦にしろ、裏に抜ける選手が少なかった。俺らが、通らなくてもパスを狙うことによって、セカンドボールを拾えて二次攻撃ができる。そうすることで今度は足もとが空いてくる」
 
 相手DFに裏を意識させることで、次は、味方FWが足もとで受けやすくなる。こういった駆け引きこそが、まさに柏木が重要視する点だ。

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「1試合で大量得点を取ることは気持ち良いけど、欲を言えば、どの試合でも2点、3点ずつ取る。そういうチームを目指してやっていくことが必要。そのために、守備もしっかりしながら、攻撃もメリハリをつける。『サイド』『中』『裏』『足もと』、その〝4つの使い分け″をうまくチームとしてやっていけたら良い」
 
 前々節の大宮戦、前節の鹿島戦とノーゴール。いずれも0-1で連敗を喫した。こういった緊迫した試合でも勝ち切れるチームになるためには〝4つの使い分け″が大事になるだろう。それを可能にするのが、まさに柏木なのだ。
 
「ゲームをコントロールするうえで、自分が出た方がチームとしてはうまくいく。(前々節、前節と)なかなか点が入らなかったなかで、今日は大量得点が取れた。俺だけじゃないけど、自分がコントロールして、試合運びができている。俺が常に主導権を握っている状態でサッカーができている。俺自身ももうひと段階上にいけるところまで来ている」
 
 攻撃を操る司令塔のレベルアップこそが、浦和がより高みへと近づくための最善の道かもしれない。

【新潟 1-6 浦和PHOTO】浦和の攻撃に為す術なく新潟がホームで大敗 

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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