<金口木舌>真のサポーター

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 本土に長く住む県出身者には苦い経験がある。1980年代まで「沖縄人お断り」と張り紙をした飲食店があった。「同郷者同士が集まって騒ぐ」「標準語が下手」などの偏見が理由だった▼「日本人以外お断り」。2014年、サッカーJリーグ浦和レッズの観客席入り口付近に英語でこう書いた横断幕が張られた。リーグは史上初の無観客試合を浦和に命じ、掲げた人たちを無期限入場禁止とした

▼苦い経験を忘れたか。先月、またもや事件が相次いだ。G大阪サポーターがナチス親衛隊のマークを思わせる応援旗を掲げた。韓国ではJ1川崎のファンが旭日旗を掲げ、本拠地の観客に出口を封鎖される事態に発展した

▼3年後の東京五輪で日本人観客がそんな応援をしたらと思うとぞっとする。世界の人々から「差別がまかり通る国」「歴史を知らない」などと批判され、日本全体が大恥をかくに違いない

▼近代オリンピックの父、クーベルタンはオリンピックの精神をこう唱えた。「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」

▼五輪の正式種目になった空手の精神にも通ずる。「礼に始まり礼に終わる」。選手と一緒になって、そんな伝統を披露することこそが真のサポーターの在り方だ。

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