災害時、「走る薬局」導入へ 県薬剤師会 現場で処方

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熊本地震で大分県薬剤師会が派遣した医薬品供給車両「モバイルファーマシー」=2016年4月、益城町
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大分県薬剤師会のモバイルファーマシーの内部。車内は、さまざまな薬を保管したり調剤したりできるようになっている

 県薬剤師会(熊本市中央区)が、災害時に薬を処方したり調合したりする医薬品供給車両「モバイルファーマシー」を2017年度内をめどに導入する。熊本地震のような広域災害現場で、緊急性の高い外傷薬や避難者の常備薬の供給拠点として活用する考え。

 同会によると、導入は全国7例目。熊本地震では大分、広島、和歌山の3県の薬剤師会がモバイルファーマシーを派遣、益城町の避難所などで被災者支援にあたった。熊本県薬剤師会は「県内災害への備えに加え、他県を相互支援できる体制をつくるため導入を決めた」としている。

 大型キャンピングカーのような車体に、薬を保管する棚のほか、調合した薬を小分けする分包機、消毒設備、薬用の冷蔵庫などを装備。トイレやベッドなど被災地で薬剤師が自立して支援できる設備も備える。

 また、強い余震が続いた熊本地震の教訓を踏まえ、車体を安定させる固定用の足「アウトリガー」を装備するなど車自体の耐震性も高める。熊本地震では、前震直後に熊本入りしたモバイルファーマシーが本震に遭い、車体の一部を損傷する事態も起きた。

 導入費用は約1600万円。県が800万円を上限に助成する。県薬剤師会が運用し、災害支援の在り方は今後、県と詰める。訓練などでノウハウを蓄積し、他県の災害支援にも派遣する。

 同会は「必要な薬を必要な人にすぐに渡せる体制を整え、緊急時に備えたい」と話している。(松本敦)

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