農地復旧1年超に支援 県、2億円予算化へ

画像大規模な地割れや地盤沈下が発生し、一部に水がたまったままになっている阿蘇市狩尾地区の水田。左の建物はJA阿蘇阿蘇町カントリーエレベーター=5月11日(谷川剛・池田祐介、小型無人機で撮影)

 県が、熊本地震で被災した農地の復旧工事を進めて離農を防ぐため、復興基金を活用し、工事中の被災農家への支援を実施することが17日、分かった。基金から2億円程度を取り崩し、6月定例県議会での予算化を目指す。

 支援対象は、水田や畑の復旧工事のため1年以上作付けができない農家。他の場所で農地を確保した農家には、借地料などを補うため10アール当たり年額2万2千円を補助する。

 また、営農できない期間の支援策として、対象農家を選果場や農場で短期雇用するJAや農業法人には、1人当たり月額9万7千円を上限に賃金の2分の1を助成する。いずれも市町村が事業主体となる。

 県によると、地割れや地盤沈下といった農地被害は、水田7674カ所、畑3498カ所の計1万1172カ所。被害額は271億6900万円に上る。

 水田では県内全体の1割強に当たる8600ヘクタールが被災したが、応急復旧によって、営農できなかったのは推計で約200ヘクタールにとどまった。ただ、大豆やソバに転作した水田でも表面がでこぼこで水が流れにくいなど本格復旧はこれから。土木業者不足などで工事完了に長期間を要する地域もあり、水田の被害が大きかった阿蘇市などが対策を求めていた。

 復興基金による農業支援では、昨年12月に小規模な農地の被害を自力復旧する農家向けに費用の半額を助成する事業を県が創設。3月末時点で約1600件、1億5400万円の申請が上がっている。(太路秀紀)

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