<難病幼児殺害未遂>母親、起訴内容認める

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 難病を患い入院中だった三男(1)を殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた被告の母親(42)=宮城県富谷市=の裁判員裁判初公判が18日、仙台地裁であり、母親は起訴内容を認めた。冒頭陳述で検察側、弁護側は双方とも、2007年に4歳で病死した次男と同じ遺伝子疾患を三男が発症し、母親が将来を悲観していたと指摘した。

 検察側は「亡くなるまで苦しんだ次男の姿を重ね、三男は早いうちに楽にしてあげたいと考えた」と指摘。「犯行時の思考や記憶は明瞭で、責任能力に問題はない。1歳児の口と鼻を脈が止まるまで押さえ続けた危険な犯行だ」と述べた。

 弁護側は「母親は次男の死後、うつ病を患った。三男も同じ難病と知り、自殺を考えるほど精神的に追い詰められていた」と強調。「犯行時は善悪の判断ができなかった可能性があり、責任能力には疑問がある」として減刑を求めた。

 起訴状によると、母親は16年11月17日朝、仙台市青葉区の宮城県立こども病院で、入院していた三男の口と鼻を両手でふさいで殺害しようとしたとされる。三男は体調を崩して事件の2日前に入院し、母親が付き添っていた。三男は一時心肺停止状態となったが、命に別条はなかった。

 小児慢性特定疾病情報センター(東京)によると、三男の疾患は体内で作られる酵素が不足し、発症する。乳児の場合、生後3カ月以降に精神発達の遅れや視覚・聴覚障害などが現れ、3歳までに亡くなる例が多いという。国内では8万~10万人に1人が罹患(りかん)するとされ、根本的な治療法は確立されていない。

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