《学びのカタチ》子ども食堂 “居場所”に広がり

画像大岩さん親子にメニューを説明する今田さん

 生活困窮世帯や孤食の子どもに食事を提供する目的で始まった子ども食堂。群馬県内外で急速に広まるとともに、子どもの居場所や学習の場を兼ねるなど多様化しつつある。

 高崎市鞘町の「給食カフェ&ホッとスペース サミートス」は、春休みの試験的な実施を経て今月、子ども食堂を本格的に始めた。小学生以下は280円で給食風メニューを提供する。

■母親へのケア

 近くに住む小学3年の大岩幸太郎君(9)は春休みに5回ほど訪れた“常連”だ。この日は鶏の唐揚げをおいしそうに食べながら「夏休みはここに宿題しに来ようかな」。母の育子さんは「最近働き始めたので留守にしがち。近くにこういう場所があると安心」と笑顔を見せる。

 運営するNPO法人理事長の今田裕子さん(49)は4人きょうだいの母。教員や保育士として働いた経験から、子どもの教育には、バランスの良い食事や勉強できる環境、何より母親へのケアが欠かせないと実感した。

 2015年12月、「自分自身が欲しかったものを詰め込んだ」というカフェとキッズルーム、自習室を備えた店舗を開設。子育て中の母親が来店すると「娘さん、すごくいい子に育ってますよ」などと率先して声を掛ける。

■運営者が連携

 みどり市笠懸町の「みどりこども食堂 ふぅ」は、家住直子さん(47)が自身の実家を活用する形で4月にスタートした。農家などから譲り受けた食材を使った野菜中心のメニューで、子どもの利用は無料。学習支援のニーズにも応じる。

 市内のシングルマザーの女性(42)は小学生の息子2人を連れて訪れた。栄養満点の献立を前に「普段、これだけの種類のおかずを用意できないので、子ども食堂の存在はありがたい」と感謝していた。

 県社会福祉協議会によると、県内の子ども食堂は4月現在で13カ所(実施予定含む)。運営団体同士の連携を目的に24日、ネットワークを立ち上げる。会合に参加する家住さんにとって、課題は食材の確保だ。「ネットワークで運営面の悩みを共有し、改善につながれば」と期待する。

◎行政も食事支援

 子どもの食事面の支援は行政も取り組む。給食費全面無料化は新たに渋川、みどり、草津、板倉の4市町が本年度スタート、計8市町村となった。太田市は昨年から、規格外の食品を1人親世帯などに配る「フードバンク事業」を始め、前橋市も6月から取り組む。

【つぶやきから】 諏訪部匠(連載サポーター)

 自分も学習支援のボランティアをやっていますが、無料学習会の目的として学習することとは別に子どもたちの心の拠り所となることも大きくあると思います。また、県でそのような団体を支援する予算を確保することも大事なことであり、このような動きが社会全体で広がればと思いました。

raika

 高校まで義務教育にしてしまえばいいのではないかとひそかに思っているのですが…。

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