【熊本城のいま】石垣の動き、ガラス棒で観察

画像石の動きを観察するために取り付けたガラス棒(丸で囲んでいます)=熊本城画像石垣の経過観察に使っているガラス棒(下)と変位ゲージ

 熊本地震で約8200平方メートルが崩落した熊本城の石垣。300~400キロの石が散乱した様子は、地震のすさまじさを見せつけた。一方で膨らんだり緩んだりして「次の崩落」につながる危険がある石垣は、約1万4800平方メートルに上る。

 熊本城調査研究センターは地震後、目視で石垣の変化を観察してきた。昨年5月に余震で馬具櫓[やぐら]の石垣が崩れて以降、大きな崩落はないが「微妙な石の動きなど、肉眼での確認は難しい」のが現状だった。そこで土木や建築、地質など多分野の専門家らでつくる公益社団法人地盤工学会(東京)に「何かいい方法はないか」とアドバイスを求めた。

 工学会が提案したのは、直径4ミリのガラス棒の設置。長さ20センチ程度を、隙間のあいた石と石をつなぐように接着剤で張りつける。ガラス棒はほんの少しの力で折れるため、微妙な石の動きでも分かりやすい。費用も安くできる。

 工学会とセンター職員は4月下旬、経過観察が必要とされる石垣13面に、約100本のガラス棒を設置した。一つの面に複数の棒を取り付けることで、石垣全体の危険度を察知することができるという。

 石の動きがミリ単位で分かる、目盛り付きの「変位ゲージ」も4面に10個付けた。今後は職員らが日常的に城内を見回り、状況を確認する。

 今のところ、ガラス棒と変位ゲージに変化は見られない。センターの嘉村哲也さん(32)は「こんな方法は知らなかった。石垣の観察方法は課題のひとつ。いろんな方の協力を得て、やれることは試していきたい」と話す。

 一方、田子櫓や七間櫓など国重要文化財を支える石垣は「特に重要」として、昨年度末から14カ所でレーザー測量による変位調査を開始した。嘉村さんは「すべての石垣をレーザー測量で観察できたらいいが、手間も経費もかかるので難しい」としている。(飛松佐和子)

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