努力重ね初の県大会/春季高校野球へ明の星、大間

画像
春秋通じ初出場の県大会に臨む明の星ナイン
画像
初の県大会で勝利を誓う大間の野球部員

 19日に開幕する春季県高校野球選手権で、明の星高校(青森市)と大間高校は春秋を通じて初めて地区予選を突破し、県大会初出場を果たした。創部3年目の明の星は昨秋にようやく公式戦で初勝利し、大間は4月の地区大会で全敗を喫したばかり。下馬評を覆した両校の躍進に、青森県高野連関係者は「部員数の少ない高校の励みになる」と期待を込める。

 明の星は青森地区で青森工、東奥学園を破り、大間はむつ地区敗者復活戦でむつ工を下し、出場権を獲得した。県大会初戦は明の星が弘前工、大間は八戸西。

 明の星は2015年度の男女共学化に伴い、硬式野球部が発足。「何から練習すれば良いのかすら分からなかった」と中田伸幸部長は振り返る。部員は試合出場ぎりぎりの9人でスタート。打撃練習をすると守備要員が不足するため、中田部長もグラブをはめた。

 現在も専用球場はなく、学校から自転車で30分かかる山あいの月見野球場を利用。球場には、街灯のような夜間照明が1基、ぽつんと立っているのみ。

 昨秋、社会人チームで指揮経験のある樋口敦監督が就任。実績が乏しいチームにもかかわらず、選手が「甲子園出場」という漠然とした目標しか持っていないことが、気に掛かった。

 「春季8強で夏の予選シード権獲得-という明確な目標を立てたことで、選手たちに、何をすべきかが見えたようだ」と樋口監督。

 冬は球場どころか、他部との兼ね合いで体育館すら使えない。弱点の打撃力を高めようと、講堂や廊下で体幹トレーニングを毎日繰り返した。春先は遠征で日大東北(福島県)の胸を借り、実力の差を確かめた。

 部員は23人に増えたが、環境が大幅に改善したわけではない。「まずは目の前にある、できることをやってきた」と川村賢人主将(3年)。明確な目標に向かって深めた自信が、着実な成長につながっている。

 ◇

 「下から食らいついて、はい上がってやろうと戦ってきた」。大間が初の県大会出場を決めた17日の試合後、伊藤優真主将は充実感をみなぎらせた。

 大間は新チームに移行した昨秋以降、公式戦でなかなか勝てない状況が続いていた。秋季むつ地区予選は1勝もできずに敗退。秋の反省から、冬場は徹底的に打撃練習や体幹トレーニングに打ち込んだ。4月のむつ地区大会は4校中最下位だったが、地区強豪校と接戦を繰り広げた。選手は徐々に自信をつけていった。

 バッティング練習を増やし、さらに打撃に磨きをかけた。打線の成長でつかんだ県大会の切符。「秋の悔しい思いをずっと持ち続けていた」という伊藤主将は「今までの練習が間違いじゃなかったことを証明できた」と誇らしげに語った。

 創部33年目の硬式野球部。選手が集まらず、何とか10人の部員がそろった年もあった。初の県大会に挑む部員は16人で、全員がベンチ入り。「県大会という目標は達成したが、もっと上を目指す」と伊藤主将。豊川武伸監督は「チームにスーパースターはいないが、全員で一生懸命やるだけ」と選手の奮起を期待した。

 ◇

 県高野連の高橋聡理事長は取材に「両校は、同じ地区に伝統校がいる中で出場を決めた。加盟校が少なくなり、合同チームが出場するような状況の県内で、部員数の少ない学校の励みになるだろう」と述べた。

あなたにおすすめ