連載金属行人

金属行人(5月19日付)

©株式会社鉄鋼新聞社

 ISSFの第21回年次大会が今週東京で行われ、きょう19日のプラントツアーで全日程が終了する。日本での開催は2000年の横浜、07年の京都に次いで3回目。10年前はニッケルバブルの真っ最中で華やぎがあった一方、ステンレス産業とニッケル産業の持続的成長が懸念され、真剣な問題提起も行われた。ニッケル系ステンレスが非常に高価だった時代であり、ISSFはフェライト系ステンレスの普及に取り組み、各社の地道な成果を後押しした▼その後の苦しい時代を経て、華やぎはすっかり薄れているが、今回のメーン会場も公式ディナー会場も海外参加者に好評だったそうだ。今のステンレス産業にとって最大の懸念は供給過剰構造であり、ISSFの場でこの問題を議論したり解決することはできないが、需要創出に向けて開発事例を共有し横展開する取り組みを引き続き行っていくことを確認した▼残念な点があるとすれば、一時は有力メンバーだったアジア大手が何社も脱退しているために、アジア勢の姿が少なかったことだろう。ISSFが注力する安全・衛生に関しても統計のカバー率という点で悩ましいものとなっている。来年は中国開催。何らかの弾みになることを期待したい。

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