タツタ電線、ペースト事業を強化

9カ年で数百億円規模に

 タツタ電線は2025年までの長期9カ年ビジョンで銅や銀などを配合したペーストを成長追求事業に位置付け、現在10億円弱の事業規模を数百億円まで拡大する。営業利益目標は全体で100億円だが、うち35億円を稼ぐ事業に育てたい考えだ。併せてチューブなどの医療機器部品・材料も新たな収益の柱に育てる。外池廉太郎社長が18日に都内で会見し説明した。

 金属ペーストは電子分野で用いられおり、半導体回りや回路配線などでの伸びを期待。IoT(モノのインターネット化)や自動車における先進運転技術の普及で今後市場は拡大する見通し。同社では30年前からペースト事業に取り組んでおり、製品ラインアップや開発力に優れている。今後は強みを生かしながら、半導体パッケージや車載基板など成長分野で事業を積極的に拡大する方針。

 現在は京都工場(京都府福知山市)で製造。今後はシェア確保に向けた安定供給体制の強化へ、国内拠点の増設を検討していく。さらに需要が増えれば顧客の近くで生産するため海外拠点の開設も視野に入れる。またペーストを塗布する企業との協業で総合的な提案を推進。装置や塗布法とともに自社ペーストを業界標準にしていく方針だ。

 医療機器部品・材料についても市場の拡大を期待。今後は事業の本格化に取り組み、25年度には10億円の営業利益を稼ぐ事業に成長させる。電線や光ファイバとの複合製品や独自開発した低コスト樹脂成型技術を生かし事業の本格化を推進。低コスト樹脂成型技術を用いた試作品は現在医療機器メーカーから高評価を得ている。

効率化投資推進、通信電線でコストダウン

 タツタ電線は通信電線のコストダウンに注力している。効率化のための設備投資を推進しており、大阪地区の製造拠点で16年度には高効率な押出機や被覆撚線設機などの大型設備を新設。さらに17年度には伸線機を更新する方針だ。

 同社では今年度からスタートした3カ年の中期経営計画で、通信電線事業の基盤強化投資などで10億円を予算化。今後は毎年3~4億円を投じ高効率設備への置き換えを進め、生産性の向上を図る。高効率な125ミリメートル押出機は昨年夏に、被覆撚線機は昨年末にそれぞれ約2億円で新設した。

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