【現地発】久保裕也が後半に1G2Aの大暴れ「結果を出していれば、代えられない」

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 5月19日、ベルギーリーグのプレーオフ1・9節が行なわれ、3位ヘントは久保裕也の1ゴール・2アシストの活躍もあり、5対2で6位ズルテ・ワレヘムを下した。
 
 久保はベルギーリーグで今季11ゴール目。この結果、ヘントは1試合を残して3位以内を確定させ、これで来季のヨーロッパリーグ出場権を得た。

 2位クラブ・ブルージュとの差は、わずか勝点1。3日後の直接対決でヘントが勝てば、チャンピオンズ・リーグ予備戦に進むことになる。
 
 ズルテ・ワレヘム戦の久保はミスパス、ボールロストが多く、本人も「今日の僕はミスが多かった」と認めており、必ずしも良いパフォーマンスではなかった。それでも、59分にサムエル・カルーのゴールをお膳立てするラストパスを出し、ヘント入団後で初となるアシストを記録すると、ようやく目を覚ます。61分にはヒールキックでカリファ・クリバリーのゴールを導き、83分にはみずからゴールを決めて、チームのラスト3ゴールに連続して絡んだ。
 
 調子の上がらなかった久保が、試合の終盤になって覚醒したのは、「ミスを引きずってなかった」から。今年1月末の入団以降、わずか3か月半で二桁ゴールをあげた実績もあって、ハイン・ファンハーゼブルック監督は久保に絶大な信頼を寄せている。この日のエースは序盤からなかなかエンジンがかからなかったが、それでもベンチに下げなかった。久保はそんな指揮官の期待に見事応えたのだ。
 
「僕は90分の中で消えてる時間がありますし、今日も最後のところでちょっと顔を出したような感じ。でも結果を出していれば、代えられないと思います。90分出ることができれば、それだけチャンスがありますし」

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 ヘントにとってはズルテ・ワレヘム戦が、今季のホーム最終戦。試合後には「サポーターが選ぶ今季のチームMVP」が発表され、1位には守護神のロブレ・カリニッチが選ばれ、久保は2位に食い込んだ。両者の得票数はかなりの僅差だったという。
 
「嬉しいですよ。ありがたい評価ですよね。1月、チームがあまり良くない時期に必要とされて来たので、彼も僕もそういう評価をしてもらって良かったです」
 
  冬の移籍市場で、カリニッチ、久保、そしてCBサムエル・ジゴ、FWカルーが加わるまで、今季のヘントがヨーロッパカップ戦の出場権を得るのは夢のような話だった。
 
 この助っ人4人衆の活躍がチームを上昇気流に乗せ、チャンピオンズ・リーグの出場権も手を伸ばせば届きそうなところにまで浮上した。ズルテ・ワレヘム戦では、久保とカルーが互いのゴールをアシスト。「良いパスをあげると、良いパスが返ってくるんですよね」と、久保は言った。
 
  この久保とカルーの関係に、『ヘット・ニーウス・ブラット』紙のスメット記者は「カルーのスピードと、久保の決定力──。彼らふたりがいれば、来季のヘントは優勝を狙える。呼吸はピッタリだ」と称え、早くも新シーズンのヘントに期待を込めた。
 
 だが、その前に今季最終戦の大一番、クラブ・ブルージュとのアウェーマッチが控えている。久保は不敵にこう語る。
 
「(敵地でのクラブ・ブルージュ戦は)アウェー感がすごいらしいですね。それで良いんじゃないですか。最後、(ヘントの)2位が決まると思いますので、楽しみですね」
 
  ヤング・ボーイズ(スイス)時代、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)とのプレーオフで涙を呑み、あと一歩のところでチャンピオンズ・リーグ本戦のピッチには立てなかった。クラブ・ブルージュを倒し、夢舞台への挑戦権を掴みたい。
 
取材・文:中田徹

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