ハンセン病市民学会 島の将来探る

画像

 ハンセン病問題に取り組む市民団体「ハンセン病市民学会」(本部・大阪市)の第13回大会が19日、岡山、香川県を会場に3日間の日程で始まった。「島と生きる」をテーマに全国の回復者や市民、医療従事者らが隔離の歴史保存などについて意見交換。初日は高松市の国立療養所・大島青松園でシンポジウムがあり、島の歴史を学び、将来像を探った。

 1942年に入所した男性(85)は、食糧難と水不足の中、海水混じりの井戸水でしのいだ当時の過酷な生活を紹介。療養所でありながら、職員不足で重症者の付き添い看護や豚舎管理といった作業を患者が担ったことに触れ「隔離された島で、人間扱いされていないと感じるほど苦しかった」と述べた。

 入所者58人の平均年齢が83歳となる中、入所者自治会の森和男会長(76)は「多くの入所者が最期まで島で過ごしたいと要望している。将来をどう描くか地元の人にも考えてほしい」と話した。

 園と交流する若い世代として、四国医療専門学校(香川県宇多津町)の看護学科2年女子学生(19)は「同じ過ちを繰り返さないために、私たちが語り継ぐ」と強調した。善通寺市の東西中学校ボランティア部は「島の教会が結婚式会場として人気」と想定した未来を映像で紹介し、顧問の女性教諭(56)が「かつて家族との大切な絆を断ち切った島を、絆が結ばれる出会いの島にしよう」と訴えた。

 会場には約300人が訪れ、「人権啓発の島として大島の自然を守り、歴史を伝える」と決意するアピール文を採択した。

 20日は岡山市民会館で総会と交流集会を開く。21日は瀬戸内市の長島愛生園、邑久光明園で療養所の世界遺産登録運動、家族の被害など4テーマの分科会がある。岡山・香川で大会が開かれるのは2010年以来2度目。

あなたにおすすめ