「高温ガス炉」協力へ覚書 原子力機構

ポーランド、英国と

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日本原子力研究開発機構(原子力機構)は19日、ポーランド国立原子力研究センターと英国のウラン濃縮会社ウレンコとの間で、次世代原子炉と呼ばれる「高温ガス炉」の技術で協力する覚書を結んだと発表した。原子力機構は大洗町にある研究炉で世界最先端の実証試験を行ってきた実績があり、実用炉の建設計画を進めるポーランドの原子炉に国産技術が採用されることを目指す。

高温ガス炉は軽水炉と異なり、冷却材に水ではなく化学的に安定しているヘリウムガスを使う。水素爆発などが起きず、冷却機能を失っても自然に冷える設計のため、安全性が高いとされている。

熱利用も期待できるのが特徴で、原子力機構は大洗町の高温工学試験研究炉「HTTR」で、950度の高温を取り出すことに成功。熱で水から水素を製造する研究も進めている。

高温ガス炉は大型化に向かず、国内で商用化の計画はないが、ポーランドは石油精製などの化学プラントに熱を供給するため高温ガス炉に注目。2025年ごろまでに研究炉を建設し、30年代前半に実用炉の運転開始を目指す計画を進めている。

原子力機構によると、ポーランドの原子力研究センターはウレンコ社と協力関係にあり、将来的に同社の原子炉を導入する可能性がある。このため原子力機構は世界をリードする技術を基礎に両者と協力していくことで、実用炉に日本の技術を生かしたい考えだ。 (戸島大樹)

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