県内、犬の殺処分52%減 16年度、譲渡や返還増加

2016年度の本県の犬の殺処分数は612頭で、前年の1279頭から52・2%の大幅減となった。県内の処分が一本化された1987年以降、年間の処分数が千頭を下回るのは始めて。収容数の減少と、ボランティア団体などによる引き取り数の増加が主な要因とみられる。これまで県は、全国でも処分数が多い状態が続いたことから昨年12月に条例を制定し、本年度からさらに対策を強化する方針で、県生活衛生課は「引き続き処分数ゼロに近づけるよう努力したい」としている。

同課によると、16年度1年間に県動物指導センター(笠間市)に収容された犬は1628頭で、このうち899頭(全体の約55%)がボランティア団体などに引き取られ、152頭(同約9%)が元の飼い主に戻された。処分された612頭は全体の約38%だった。前年度と比較すると、収容数は2226頭から約27%減少し、引き取られたり飼い主に戻されたりした数は計867頭から約21%増加した。

一方、猫の殺処分数は1679頭で前年度比で654頭減少。収容数は2272頭で同じく410頭少なかった。引き取られた数は597頭で、前年度より248頭増えた。

犬の処分数は1990年度の1万8611頭をピークに減少傾向だが、2005〜12年度まで連続で全国ワーストを記録した。13年度は前年度から千頭以上減の2158頭とし、全国ワーストを脱却。その後も1751頭(14年度)、1279頭(15年度)と数を減らしてきた。

本県の犬猫殺処分数が多い背景には、放し飼いなどによる野良犬化、野良猫化が顕著で、避妊や去勢による繁殖の抑制をしなかったことなどがあるとみられている。

処分数の減少傾向について、県の担当者は「地道な活動によって現状が周知され、県民の意識も変わってきているのかもしれない」とし、犬猫の譲渡先を探すボランティアは47個人・団体(17年3月現在)に上るとしながら「ボランティアの協力も大きい」とする。

県は本年度、昨年12月の定例県議会で、議員提案による「県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」が成立し、施行されたことなどを受けて対策を強化。ボランティア団体の支援や「地域猫」の不妊・去勢手術の補助などを実施する。

県によると、16年度の全国順位は、環境省の全国集計が整う8〜9月ごろ公表される見通し。(成田愛)

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